アスリートの体調管理・栄養補給にはナッツ!おすすめの種類と摂取量

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日々ハードなトレーニングに取り組み、多くのエネルギーを消費するアスリートにとって、食生活でどのように栄養補給をするかは重要な問題です。 ぜひアスリートの食生活に取り入れてほしい食材は、豊富な栄養素がぎゅっと詰まったナッツ。今回は、アスリートにナッツがおすすめな理由と種目別のおすすめナッツ、摂取量について紹介します。

アスリートにナッツがおすすめな理由

アスリートがベストな身体の状態で競技に挑むためには、日々のトレーニングはもちろん食生活も大切です。ここでは、アスリートにナッツがおすすめな理由を具体的に紹介します。

成長ホルモンの分泌を促進

成長ホルモンは、骨格や筋肉の合成に大きく関わり、体にある物質をエネルギーとして使える物質に変える重要な働きを担っています。成長ホルモンが不足すると、骨の代謝が悪くなり骨粗しょう症や骨折のリスクが高まったり、筋肉量が減少して運動能力が低下したりと、アスリートにとっては致命的な症状を引き起こします。また、体力や気力が減退して疲れやすくなるため、精神的に不安定になる原因にもなります。

ナッツには、成長ホルモンの分泌を促すアミノ酸の1種「アルギニン」が豊富に含まれています。アルギニンは肉や魚にも含まれますが、ナッツの方が含有量は多いです。

食品名100gあたりのアルギニン含有量
牛もも肉(脂身付き)1.2g
若どりむね肉(皮付き)1.3g
落花生(いり)3.2g
アーモンド2.3g
くるみ(いり)2.3g

【参考】食品成分データベース・「アルギニン」含有量トップ10


不足しがちな脂質の接種

健康な身体や筋肉づくりには、良質な脂質は欠かせません。ナッツは、不足しがちな脂質を効率的に補えます。

脂質の中でも意識して摂取したいのは、1価不飽和脂肪酸と、多価不飽和脂肪酸のうちオメガ3(n-3系)系脂肪酸と呼ばれるものです。1価不飽和脂肪酸とは主に「オレイン酸」で、比較的酸化しにくい性質を持ちます。抗酸化作用があり、便秘の予防や改善にも役立ちます。アーモンドやピーナッツ、カシューナッツなどに豊富に含まれます。0

オメガ3(n-3系)系脂肪酸は酸化しやすいものの、最大酸素摂取量を増加したり、運動時心拍数を抑制したりと、アスリートにとって重要な役割を担います。

特にくるみには、オメガ3系脂肪酸のひとつ「α-リノレン酸」が多く含まれています。

【参考】くるみに含まれる栄養素とは?オメガ3や抗酸化物質、ビタミンミネラルが豊富なナッツ!

便秘対策

自発的な排便の回数が少なく、残便感や不快感に悩まされる便秘。便秘が続くと、腸に溜った便が腐敗して腸内に有害ガスが発生します。

このガスがお腹に溜まることで、お腹の張りや下腹部痛を引き起こすケースも少なくありません。アスリートにとっては練習の妨げになったり、大事な場面で練習の成果が出せなかったりする可能性もあるため、普段から対策しておきたいもの。

便秘対策には、食物繊維が効果的です。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、自分の便秘の症状に合わせてバランスよく摂取する必要があります。ナッツに豊富に含まれるのは、不溶性食物繊維です。腸内で水分を吸収して膨らみ、腸を刺激して腸の運動を活発化させる働きがあります。便秘の中でも最も多い、腸の運動が起こらず便が滞る「弛緩性便秘」に効果的です。

免疫力アップ

日々ハードなトレーニングを行うアスリートは、日頃から免疫力をアップさせて、体調を良い状態に保つことが重要です。体調を崩すと元のベストな状態に戻すまでにも時間がかかり、ここぞというときに実力を発揮できなくなります。

免疫力を高める鍵は、腸内環境の改善です。腸管には、体内の免疫細胞の60%以上が存在していると言われています。食物繊維を豊富に含むナッツを食べることで、腸内環境が改善され、免疫力アップにつながるでしょう。

活性酸素の除去

活性酸素とは、体内に取り込まれた酸素の一部が通常よりも活性化されたもの。ほかの物質を酸化させる力が非常に強く、体のあらゆる細胞を攻撃してダメージを与えるため、いわば「毒素」とも言える存在です。

活性酸素が増加すると疲労蓄積やパフォーマンス低下を引き起こすため、アスリートは活性酸素の除去が大切です。ナッツには、活性酸素を除去する効果が高いポリフェノールが豊富に含まれます。特にアーモンドは、活性酸素発生を抑制するビタミンEの含有量がナッツの中でもトップレベルです。

【参考】アーモンドは優れた栄養食品!成分ごとに期待できる健康効果とは?


【スポーツ種目別】おすすめのナッツ

どのようなスポーツに取り組むかによって、必要な栄養素は異なります。そこでここでは、スポーツ種目別におすすめのナッツを紹介します。

持久力が必要なスポーツ

マラソン、トライアスロン、水泳、サッカーといった持久力が必要なスポーツには、長時間運動を続けるエネルギー源となる「糖質」が重要です。

ご飯やパンなどの糖質を分解し、エネルギーに換える際に必要となるのがビタミンB1です。ビタミンB1は、ひまわりの種、松の実、カシューナッツなどに豊富に含まれます。

また持久力が必要なスポーツは鉄分の消耗も激しいため、サンザシ、かぼちゃの種、カシューナッツなど鉄分が豊富なナッツもおすすめです。

【参考】カシューナッツで健康に?体の不調や生活習慣病を簡単に予防・改善できる!

瞬発力が必要なスポーツ

テニス、陸上競技、野球といった瞬発力が必要なスポーツは、タンパク質と糖質をバランスよく摂取することが大切です。瞬発力が必要なスポーツでは、素早い瞬発力を生み出すべく筋肉への負荷が大きくなります。そのためタンパク質が筋肉になるサポートをするビタミンB6を含む、ピスタチオや落花生を積極的に摂取しましょう。

またキレの良い筋肉の動きを作るために重要なのが、カルシウムとマグネシウムです。筋肉は、カルシウムによって収縮し、マグネシウムによって弛緩します。マグネシウムが不足すると筋肉のけいれんやこむら返りの原因となるため、かぼちゃの種、アーモンド、カシューナッツなどマグネシウムが豊富なナッツもおすすめです。

【参考】アーモンドは健康に良い?体の不調や生活習慣病に効果的!

筋力が必要なスポーツ

ラグビー、ボルダリング、体操といった筋力が必要なスポーツは、筋肉の材料となるタンパク質が欠かせません。より効率的に筋肉をつけるには、タンパク質が筋肉になるのを助ける栄養素も合わせて摂取することが大切です。ナッツではビタミンB6を豊富に含むピスタチオや落花生、亜鉛を含むかぼちゃの種、カシューナッツ、アーモンドなどがおすすめです。

集中力が必要なスポーツ

ゴルフ、アーチェリーなど集中力が必要なスポーツは、ビタミンB群が重要です。脳や神経を極度に使って集中するとき、ビタミンB群や葉酸が多く消費されると言われています。これらを豊富に含むひまわりの種、カシューナッツ、ピスタチオなどで補うことで、集中力を維持してベストな状態で競技に取り組めます。

また貧血状態だと全身に酸素が十分に行き渡らず、集中力が低下してしまいます。鉄分が豊富なかぼちゃの種、松の実、カシューナッツなどを摂取して、貧血を防止しましょう。


【アスリート向け】ナッツの摂取タイミングと量

より効果的に栄養を摂取するには、いつ、どのくらいナッツを食べるのが良いのでしょうか。ここでは、アスリート向けのナッツの摂取タイミングと量について紹介します。

摂取タイミング

ナッツを摂取するタイミングとしておすすめなのは、運動後45分です。体内のアミノ酸がタンパク質へ変わり、筋肉が形成されるのは、運動後45分以内がピークだと言われています。このタイミングでナッツを摂取することで、不足した栄養素を補い、筋肉の形成をサポートしてくれます。

摂取目安量

ナッツの摂取量目安は、一般人で1日あたり25g、片手に軽く盛る程度とされています。しかし、アスリートの運動量は一般人よりも多い傾向にあるため、必要な栄養素の量も異なってきます。WHO(世界保健機関)によると、成人では1週間あたり150分以上の中等度の運動、または75分以上の高強度の運動が推奨されています。この一般人の運動量と比較して、どれほど自分が運動しておりそれほど栄養を摂取する必要があるのか自分で計算してみましょう。

ナッツは気軽につまめるため、つい「もう一粒…」と手が伸びて食べ過ぎてしまいがちです。食べ過ぎ防止のためには、しっかり噛んで食べることで脳が満足感を感じやすくなります。

相乗効果を期待できる食品

ビタミンEは、自らが酸化すると抗酸化作用が失われてしまいます。しかしビタミンCと一緒に摂取することで、ビタミンEを再び活性化させてくれます。アーモンドなどビタミンEを含むナッツと共に、ビタミンCが豊富な果物を食べることで、より抗酸化作用が向上し免疫力アップが見込めます。また、にんじんやかぼちゃなど緑黄色野菜に多く含まれるカロチノイドにも抗酸化作用があります。これらの食材を積極的に取り入れ、彩りあるバランスの良い食生活を目指しましょう。


まとめ

今回は、アスリートにナッツがおすすめな理由と種目別のおすすめナッツ、摂取量について紹介しました。健康な身体に欠かせない良質な脂質やタンパク質などを豊富に含んでいるナッツは、アスリートにぴったりの食材です。一粒が小さく手軽につまめるナッツは、スポーツの合間に効率的に栄養を補給できます。ぜひ日々の食生活に取り入れて、大事な場面に向けてベストな身体の状態を維持しましょう。

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