ピーナッツの栄養素とは?主な成分や効果、薄皮の重要性も解説!

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ピーナッツは日本で栽培されており昔から手に入りやすく、手軽にエネルギーを摂取できる食品です。 おいしいだけでなく、タンパク質・炭水化物・脂質の「三大栄養素」にビタミン・ミネラルを加えた「五大栄養素」がバランス良く含まれています。 また、ピーナッツは薄皮の部分もポリフェノールなどの栄養が豊富です。 はじめは渋みを感じますが、慣れてしまえば気になりません。 今回は、ピーナッツを食べることでどのような栄養素を摂取することができるのか説明します。

ピーナッツとは?

ピーナッツは落花生の殻の中にある豆の部分です。ピーナッツの原産地は南アメリカで、日本には江戸時代に持ち込まれました。南京豆、だっきしょ、ジーマーミなど地方によってもさまざまな呼び名があり、人々の暮らしに深く根付いていることがわかります。

殻のまま販売されているもの、殻をむいたものやバターを絡めたもの、ピーナッツバターに加工されたものなどさまざまなタイプが市販されており、国産ピーナッツの約8割は千葉県産です。

ピーナッツの種類

ピーナッツにはいくつかの品種があり、細かく分類すると1,600種もあると言われています。世界中で特に流通しているヴァージニア、スパニッシュ、バレンシアという3タイプのうち、日本でよく見かける品種はヴァージニアです。もっとも粒が大きく、食べ応えがあります。

スパニッシュやバレンシアは小粒で、日本ではほとんど栽培されていません。ピーナッツバターやピーナッツオイルなど、加工品に使われることの多い品種です。

ピーナッツに含まれる主な栄養

ピーナッツは高カロリー食品と言われており、1粒(0.6g)で3.5kcal程度です。嗜好性が高いためついつい食べ過ぎてしまいがちですが、ピーナッツに含まれる食物繊維や脂質は消化に時間がかかり胃腸へ負担を与えるため、腹痛などの原因となります。

ただし、カロリーが高いからと言って身体に悪いと決めつけることは早計です。ピーナッツには体に役立つ豊富な栄養素が含まれており、食べることでさまざまな美容効果や健康効果をもたらしてくれます。

落花生(素焼き)100gあたりの主な栄養成分

成分落花生(素焼き)100gあたり
エネルギー585kcal
タンパク質26.5g
脂質(多価不飽和脂肪酸)49.4g(14.75g)
炭水化物19.6g
ナイアシン17.0mg
ビタミンE18.3mg
ビタミンB10.23mg
カリウム770mg
マグネシウム200mg
リン390mg
1.7mg
食物繊維7.2g


ここでは、ピーナッツに含まれる代表的な栄養素について解説します。


タンパク質

タンパク質は身体の組織を作る源となる重要な栄養素で、さまざまなアミノ酸が組み合わされて構成されています。ピーナッツに多く含まれているアミノ酸は、以下の種類です。

  • トリプトファン

    人の体内では生成できない必須アミノ酸のひとつ。脳内ホルモンのもとになり、神経を落ち着かせます。

  • アスパラギン酸

    うまみ成分のひとつ。代謝を促進する働きを持っています。

  • グリシン

    肌のハリが良くなるほか、睡眠の質を改善する効果があることが指摘されています。

  • アルギニン

    年齢とともに体内で作られる量が減るため、積極的に摂取したいアミノ酸です。成長ホルモンの合成を促進し、免疫力を高めたり、傷の修復を早めたりする働きがあります。

他にも脂肪燃焼効果が高いバリンやロイシン、イソロイシンなど、多種類のアミノ酸が含まれています。

不飽和脂肪酸

オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸が含まれています。リノール酸は体内で生成されないため、食事から摂取する必要のある必須脂肪酸です。

不飽和脂肪酸には血中のコレステロール値を低下させる作用があり、生活習慣病の予防に役立ちます。

ビタミンE

ビタミンEには抗酸化作用があり、過酸化脂質の増加を抑えられるため、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣の予防に役立つと考えられています。人が呼吸によって体内に取り入れる酸素のうち2%程度が活性酸素となり、細胞を酸化させてしまいます。

細胞が酸化すると老化が早まり、免疫力が低下して動脈硬化やアルツハイマー型認知症につながると言われています。ビタミンEの働きによって体内でサビの原因となる活性酸素の働きを抑えることで、これらの病気を予防すると同時に、アンチエイジング効果も期待できます。また、血行をよくする働きもあるため冷え性の改善にも効果が期待できるでしょう。

ビタミンB3 (ナイアシン)

ピーナッツはビタミンB群のひとつであるナイアシン(ビタミンB3)を多く含みます。肝臓の働きを活性化させ、アルコールの分解と、分解後に発生するアセトアルデヒトの分解を助けます。そのため、二日酔いの予防に効果的です。

ビタミンB1

ビタミンB1には体内の糖質を効率的にエネルギーに変える働きがあります。エネルギー代謝が良くなることで、疲労の原因となる乳酸などの物質が排出されやすくなり、身体ダメージを修復する力が高まるため、疲労回復に効果を発揮します。

また、にんにくや玉ねぎに含まれるアリシンと結合するとアリチアミンとなって吸収率が高くなります。

以下の記事ではにんにくとピーナッツを使った唐揚げレシピを紹介しているため、参考にしてみてください。

【参考】ピーナッツ(落花生)レシピ10選!作り方をジャンル別に紹介

ミネラル

ミネラルは、身体の働きを維持・調整する役割を持つ重要な栄養素です。ピーナッツは身体に欠かせないさまざまなミネラルを豊富に含んでいますが、代表的なのが以下の種類です。

  • カリウム

    細胞内の浸透圧を維持し、水分を保持します。過剰な塩分を尿とともに排出するため、血圧を下げる働きもあります。

  • マグネシウム

    300種以上の酵素を活性化し、生命維持の働きに関与しています。エネルギーの生成や筋肉の収縮の管理、神経系に作用して精神状態を落ち着けるなど身体全体のさまざまな酵素の働きを助けます。

  • 赤血球を作るのに必要なヘモグロビンの成分です。ヘモグロビンは酸素と結びつき、身体の隅々まで酸素を届けます。

  • リン(レシチン)

    リン脂質の一種であるレシチンは細胞膜の主成分で、細胞膜を活性化させることにより内臓や各組織の機能を高めます。また、神経伝達物質のアセチルコリンの材料となって、記憶力や認知機能を高める働きを持ちます。さらに、乳化作用があるため油に溶けやすい脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収を助け、同時にコレステロールを溶けやすくして排出します。


ピーナッツの薄皮に含まれる栄養

ピーナッツの薄皮は簡単に剥くことができますが、健康効果が高い栄養素が含まれるため、そのまま食べることをおすすめします。ピーナッツの薄皮に含まれる栄養素として、特筆しておきたい成分は以下の通りです。

  • ポリフェノール

    ポリフェノールは抗酸化作用があり、血管の酸化を防ぐため、血流促進につながります。特に、ピーナッツに含まれるポリフェノールのうち、レスベラトロールのアンチエイジング効果に注目が集まっています。

  • レスベラトロール

    レスベラトロールは、老化を防ぐ長寿の遺伝子であるサーチュインを活性化して細胞の働き過ぎを抑え、皮膚を若々しく保つと言われています。

    さらに、レスベラトロールは腫瘍細胞内でピセアタンノールという物質に変化し、ガン細胞を死滅させるがん予防の効果があると考えられています。

【参考】Role of resveratrol in prevention and therapy of cancer: preclinical and clinical studies. - テキサス大学

ピーナッツに期待できるうれしい効果・効能

多くの栄養素を持つピーナッツを食べることで、以下のような効果を期待することができます。

  • アンチエイジング
  • 生活習慣病の予防
  • 二日酔い防止
  • 血行促進・貧血予防

ピーナッツを食べることで得られる身体に嬉しい効果について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

【参考】ピーナッツの効果・効能とは?美容や健康効果を最大化する食べ方も紹介!


まとめ

ピーナッツは少量でも栄養価が高く、しかも安価で経済的であるため、日々の食生活に取り入れやすい食品であると言えるでしょう。世界的にポピュラーな食材であることもあって、食べすぎると鼻血が出る、芽の部分は身体に悪いなどさまざまな迷信があります。

しかし、食べ過ぎやアレルギーにさえ注意すれば、身体に嬉しい栄養素を摂取することのできる理想的な食品です。健やかな身体づくりのために習慣的に食べることをおすすめします。






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