【2022年版】くるみアレルギーとは?症状や食品への表示について解説!

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くるみアレルギーとは?症状や食品への表示について解説!

おいしくて健康的な食品として知られるくるみですが、実はアレルギーを発症するアレルゲンになる場合があります。アレルギーは大人であってもある日突然発症するケースがあり、身近な健康トラブルであるといえます。気になる症状が出てきた時には、正しい知識を身につけた上で、ひとりで抱え込まずに病院に行きましょう。

今回は、くるみアレルギーの場合に一体どのような症状が出るのか、どのような対応をしたら良いのかなどについてご説明します。

くるみアレルギーとは?

くるみアレルギーは、種実(木の実・ナッツ)アレルギーの一種です。食物アレルギーは、特定の食物(アレルゲン)を食べた際に、免疫機能が過剰に働いてしまうことで発症します。アレルゲンに抗体が反応することで、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、アレルギー反応が引き起こされます。乳児期は食物アレルギーを発症しやすいため、特に注意が必要です。

くるみを食べた場合にも、このアレルギー反応を引き起こす可能性があり、1~2歳から発症することが確認されています。

くるみアレルギーは、2020年1月~12月の1年間で、全国で463例が報告されております。これは卵、牛乳、小麦に次いで4番目に多い症例数です。卵や乳製品などと比較すると、ナッツは経年的な耐性が得られにくいため、成人の発症が近年多く報告されています。

【参考】平成30年度 食品アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書 - 相模原病院

【参考】令和3年度 食品アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書 – 消費者庁

花粉症とくるみアレルギーの関連性

日本人の花粉症発症率は、正確な数字は分かっていませんが29.8%という報告があります。花粉症の方がくるみを食べる際は、口腔アレルギー症候群・ラテックスフルーツ症候群を引き起こす可能性があることに注意してください。

口腔アレルギー症候群・ラテックスフルーツ症候群とは、花粉症の人がナッツやフルーツ、野菜など(※)を食べた時、ラテックスを含んだゴムに接触した時に、アレルギー症状を発生させる病気のことです。これは、花粉症を引き起こす原因物質と、くるみのタンパク質構造が一部共通しているため起こります。

※花粉症の種類によって関連性のある食品の種類も異なります。

【参考】リウマチ・アレルギー対策委員会報告書 - 厚生労働省
【参考】口腔アレルギー症候群・ラテックスフルーツ症候群の診断・治療 - 渋谷内科クリニック

【参考】花粉症Q&A集 厚生労働省

くるみの交差抗原性

くるみアレルギーの方は、他のナッツでもアレルギーを発症する可能性があります。これは交差抗原性といって、同じ種の食品のタンパク質構造が似ているために起こる現象です。特定のナッツでアレルギー反応がある場合、他のナッツで反応する危険性は37%と言われています。特にペカン(ピーカンナッツ)はくるみと同じクルミ科であるため、関係性が高いと考えられます。

【参考】交差反応性食物アレルゲンの臨床的意義 - マウントシナイ医科大学

くるみアレルギーの症状

一般的に引き起こされるアレルギー症状には、以下のようなものがあります。

  • 腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
  • 鼻水、鼻詰まり、喘鳴
  • 口、喉、目、皮膚などの痒み
  • 湿疹、蕁麻疹

多くの場合は皮膚に症状が起こりますが、人によりいろいろな症状があります。花粉症との関連で発症する口腔アレルギー症候群・ラテックスフルーツ症候群の症状としては、口の中や唇の違和感・しびれ、顔面の腫れ、呼吸困難などが挙げられます。

症状の発生~持続・おさまるまでの時間は?

アレルギー症状の発生時間は3つに分けられます。アレルゲンに反応する細胞によって、このような違いが発生すると考えられています。

  • 即時型:典型的なタイプです。食べた直後から15〜30分後に症状が発生します。発症してから一度落ち着き、再び悪化する場合もあるため注意が必要です。
  • 遅発型:6〜8時間後に発症します。
  • 遅延型:食べた翌日や二日後に発症します。

症状が軽ければ、アレルギー症状は1時間以内に治ります。治らなければすぐに病院へ行ってください。

アレルギー症状が出た時の対応は?

最初に「アレルギーが発症したかもしれない」と思ったら、自己判断はせず、速やかに病院に行くことをおすすめします。血液検査や皮膚テストなどの診断をした上で、食生活指導を受けることとなります。アレルギー症状が出たらどのように対処するか、あらかじめお医者さんと相談して決めておきます。

症状がひどくない場合、一般的には以下の対応を行いましょう。

  • 食後30分以内であれば食べた物を吐きます。
  • 処方薬があれば必要に応じて服用します。
  • 症状の進行がなければ1時間以上経過を観察し、後日病院へ行きます。
  • 症状が進行・治らなければすぐに病院へ行きます。
  • 症状が頻繁に出るのであれば、該当食品を控え、アレルギー反応を抑える薬を服用しましょう。

アナフィラキシーとは?

アレルゲンとなる食べ物を口に入れてすぐに現れる即時型アレルギー反応の中には、時に命をおびやかす危険な状態を引き起こす「アナフィラキシー」があります。アナフィラキシーとは、蕁麻疹やまぶたの腫れ、息切れ、嘔吐や腹痛といった重い症状のうち、2つ以上が同時に発症するアレルギー反応のことです。呼吸困難や、血圧低下により意識が遠のいてしまうこともあります。

このような場合は医療機関に連絡し、救急車を利用して速やかに受診しましょう。救急車到着を待つ間は、仰向けになって足を30cm程度上げ、呼吸が苦しければ少し上体も起こす必要があります。緊急を要する場合、症状の進行を一時的に緩和するために、エピペンのアドレナリン筋肉注射が必要です。病院から処方されている場合、自分で注射したり、家族が注射したりすることとなります。

効果は20分程度であるため、複数本持っている場合は間をおいて再び注射します。エピペンを注射してもアナフィラキシーの根本的な治療にはならないため、早急に医師の診断を受けてください。

ナッツ類はショック症例の発生頻度が一般に高く、くるみでは12.5%(58/463例)となっています。これは牛乳のショック症例発生頻度12.7%とほぼ同じとなっています。

食物アレルギーのアナフィラキシーによる死亡者数は年間0-5人、年平均2.8人です。食後に運動を行うことで症状が誘発されることもあるため、注意してください。

【参考】注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例の分析 平成30年1月 医療事故調査・支援センター 一般社団法人日本医療安全調査機構

【参考】アレルギーについて | アナフィラキシー 厚生労働省

くるみアレルギーの食品への表示は?

平成13年より、加工食品のアレルギー表示制度が法律で定められました。くるみは、表示が推奨されている21品目に含まれています。ただし特定原材料7品目以外は表示義務があるわけではないため、食品に表示されていない可能性もあります。また、以前に食べたことがある食品であっても、原材料が変更されていることもあるため、注意が必要です。

さらに、飲食店の料理や店内調理のお惣菜などについてはアレルギー表示の義務がないため、店舗に確認するなどの対処を行いましょう。

【参考】別添 アレルゲンを含む食品に関する表示 - 消費者庁

くるみが含まれている食べ物に要注意

加工食品には一見して何が入っているか分からないものも多くあります。くるみアレルギーの方は、特に以下のような食品には注意してください。

  • ナッツエキスを含む食品
  • バーベキューソース
  • キャンディー
  • チョコレート
  • クッキー
  • エナジーバー
  • フレーバーコーヒー
  • グラノーラ
  • アイスクリーム
  • マリネ液
  • パイ皮
  • ベジタリアン食品

洋菓子に含まれる場合などは、粉末状になっており、一見するとわからないこともあります。また、食品以外にも化粧品や石けんに含まれていることがあるため注意が必要です。くるみ以外の別のナッツを食べる時も、加工段階でくるみの成分が混入している可能性があるため、注意してください。

アレルギー表示の対象になっていない食材でも、人によってはアレルゲンとなり得ることがあります。例えばアーモンドは近年食べられる頻度が増えたため、アレルギー発症例の件数が増加し、表示推奨品目に追加されました。こまめに表示を確認することを習慣づけておくと安心です。

まとめ

くるみを食べることによって発症するアレルギーについてご説明しました。一般的に、アレルギー症状は風邪や寝不足、ストレスを感じている時などに発症しやすくなっています。自律神経が不安定であったり、免疫力が弱まったりしているためです。そのような状態の時には特に注意するようにしましょう。口にするもの、接触するものに細心の注意を払い、アレルギー症状を引き起こさないよう気をつけてください。


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