ピーカンナッツとは?くるみとの違いや栄養素、食べ方を紹介
くるみに似た細長い形と、クセのない味わいが特徴のピーカンナッツ。日本ではまだあまり馴染みがないナッツですが、栄養価が高くアンチエイジングや生活習慣病予防としても人気があります。サクサクとした軽い食感で、そのまま食べてもお菓子や料理に使ってもおいしく食べられるナッツです。 今回は、ピーカンナッツとはどのような特徴があるのか、くるみとの違いや栄養素、食べ方などを紹介します。
ピーカンナッツとは
ピーカンナッツとは、北アメリカを原産とし、「バターの木」とも呼ばれるクルミ科の落葉高木から採れるナッツのひとつです。アメリカ先住民にとっては貴重な栄養源とされていました。現代でもアメリカではピーナッツに次ぐ人気のナッツで、洋菓子のトッピング材料としてよく利用されています。ハロウィーンでおなじみのお菓子「ピーカンパイ」にも使われますよ。
ここではピーカンナッツがどのようなナッツなのかを詳しく見ていきましょう。
くるみとの違い
ピーカンナッツはクルミ科の落葉高木に実をつけることから、くるみの親戚にあたります。見た目もくるみによく似ていますが、色や味は少し異なります。
まず見た目は、くるみよりもやや細長い形をしています。色はくるみよりも濃い茶色で、皮をむいた中身はキュッと引き締まっているのが特徴です。
くるみは噛みしめるとやや苦味や渋みがあるのに対して、ピーカンナッツは渋みはあまりありません。コクがあり、濃厚かつまろやかな味わいです。くるみはスイーツやパンに混ぜこまれることが多いですが、ピーカンナッツはその見た目と味わいの特徴を活かしてトッピングとして使われることが多いです。
ピーカンナッツの主な栄養素
ピーカンナッツに含まれる主な栄養素は、以下のとおりです。
主な栄養素 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
カロリー | 702kcal |
糖質 | 6.2g |
一価不飽和脂肪酸 | 37.33g |
多価不飽和脂肪酸 | 24.06g |
ビタミンE | 28.1mg(うちγ-体が25.0mg) |
食物繊維 | 7.1g |
カリウム | 370mg |
マンガン | 4.37mg |
銅 | 0.84mg |
亜鉛 | 3.6mg |
パントテン酸 | 1.49mg |
カロリー・糖質
脂肪分の多いピーカンナッツは、100gあたり702kcal、糖質は6.2g。くるみのカロリーは100gあたり674kcal、糖質は4.2gであるため、くるみと比較してピーカンナッツのカロリーと糖質はやや高めです。柔らかく食べやすい分、食べ過ぎには注意が必要です。
不飽和脂肪酸
ピーカンナッツには「不飽和脂肪酸」が豊富に含まれます。
不飽和脂肪酸とは、脂肪の構成要素である脂肪酸のうち、植物や魚に多く含まれるものです。体内で合成できず、食事から摂取する必要があります。不飽和脂肪酸は、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」の2種類に分類され、ピーカンナッツにはこれらがバランスよく含まれており、以下のような生活習慣病予防やアンチエイジング効果が期待できます。
- 動脈硬化や血栓の予防
- 血圧を下げる
- LDLコレステロールを減らす
ビタミンE
ビタミンEには、体内で多量に発生すると老化や動脈硬化、がんなどの原因の一つとなる「活性酸素」を取り除き、酸化を抑える抗酸化作用があります。細胞膜を健全に保ち、加齢によって発症しやすい疾患を予防してくれることから”若返りのビタミン”とも呼ばれます。
ビタミンEは「トコフェロール」という物質の総称で、ピーカンナッツやくるみに多いのはγ-体です。
食物繊維
ピーカンナッツには、食物繊維が豊富に含まれます。食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、ピーカンナッツに主に含まれるのは不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は水に溶けにくく、腸内で水分を吸収して大きく膨らみます。腸を刺激してぜん動運動を活発にすることで、便通を良くします。腸内環境の改善にも役立つでしょう。
カリウム
ピーカンナッツには人間の身体に不可欠なさまざまなミネラルが含まれており、カリウムもそのひとつです。カリウムには、体内に残った余分なナトリウムを排出し、血圧を正常に保つ役割があります。また、以下などの働きも担うと言われています。
- むくみの改善
- 酸・塩基平衡の維持
- 神経刺激の伝達
- 心臓機能や筋肉機能の調節
- 細胞内の酵素反応の調節
マンガン
マンガンもミネラルのひとつで、地表や岩石、海水、淡水、さまざまな食材など地球上に広く存在します。体内の代謝で重要な多くの酵素を活性化させ、体の機能維持に欠かせません。特に生殖機能、脂質代謝、脳機能に関わると言われています。
銅
銅は赤血球の形成を助け、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成をサポートします。
鉄を体内で利用できるように変える代謝に関わっており、貧血の予防に効果的です。また骨や血管壁を強化するコラーゲンやエラスチンの生成に働き、骨粗鬆症や動脈硬化、動脈瘤も防ぎます。
亜鉛
亜鉛は、高い抗酸化作用を持つビタミンAの活性化に役立ちます。活性酵素や過酸化脂質を抑えることで、アンチエイジングや生活習慣病の予防が期待できます。
また亜鉛を十分に摂取することで、粘膜を保護するビタミンAを体内にとどめ、免疫力の向上にも役立ちます。
パントテン酸
パントテン酸は、エネルギー代謝に欠かせない水溶性ビタミンです。糖質、脂質、たんぱく質の代謝と、エネルギー産生に不可欠な酵素をサポートする働きがあります。
また、ホルモンの合成にも関わっており、副腎皮質ホルモンの働きを促進させるため、ストレスの軽減にも役立ちます。
ピーカンナッツの食べ方
ピーカンナッツをよりおいしく、栄養を活かして食べるためには、どのような食べ方が良いのでしょうか。ここでは、おすすめのピーカンナッツの食べ方を紹介します。
殻の割り方
ピーカンナッツの殻はくるみのように硬くないため、道具を使わなくても簡単に素手で割れます。ピーカンナッツ同士を押し付けることで、手が痛くならず安全に薄い殻を割れます。
生・ロースト
ピーカンナッツは他のナッツと同様、ローストしたり、クッキーやパンに混ぜて焼くと、香ばしい香りを楽しめます。
ナッツを生でお召し上がりになる際は、微生物汚染に注意しましょう。特に注意したいのがサルモネラ菌です。販売者に問合せ、「微生物の規格」で「サルモネラ菌陰性」となっているナッツを選びましょう。
ピーカンナッツはくるみの親戚なのでn-3不飽和脂肪酸が多い印象があり、他のナッツよりは多く含みますが、比較するとくるみの約1/10で、むしろ熱に強いオレイン酸をアーモンド並みに含みます。
ピーカンナッツの1日摂取量目安
ピーカンナッツの1日あたりの摂取量目安は、約18粒です。ピーカンナッツは脂質を多く含みカロリーも比較的高いため、食べ過ぎには注意が必要です。
ピーカンナッツのアレルギー
ピーカンナッツはクルミ科なので、くるみにアレルギーのある方は注意が必要です。ショック症例の割合もくるみ並みに高いです。
まとめ
今回は、ピーカンナッツとはどのようなナッツか、くるみとの違いや栄養素、食べ方などを紹介しました。
そのまま食べるのはもちろん、サラダや炒め物、スイーツのトッピングなど幅広く活用できるピーカンナッツ。栄養価が高く、アンチエイジングや生活習慣病の予防など健康維持にも役立ちます。ぜひ日々の食生活に取り入れてみてください。