夏はうなぎよりもナッツが効果的! うなぎとナッツの栄養比較
暑い夏を乗り切るための食材としてまず頭に浮かぶのがうなぎですよね。万葉歌人である大伴家持が「夏痩せには鰻を~」と詠んでいることからもわかる通り、うなぎは古くからその秘めた力が広く知られていたようです。 栄養素が豊富なイメージのあるうなぎは、スタミナをつけて夏バテを解消する食材として親しまれています。真っ先に思い浮かべる料理は蒲焼きですが、白焼きや肝吸いなどさまざまな食べ方があります。 「ナッツ」の語呂合わせから、7月22日は「ナッツの日」とされています。ナッツにはうなぎ以上にたくさんの栄養素が詰まっており、夏場に健康を維持するのにぴったりな食材であることをご存じでしょうか。 今回は夏のスタミナ食材であるうなぎと、ナッツの栄養を比較して説明します。また、夏の体調不良改善にぴったりなナッツの効果を紹介します。食べる量やタイミングについても説明するため、参考にしてください。ナッツを食べて暑い夏を乗り切りましょう。
ナッツはうなぎよりも栄養豊富
うなぎと代表的なナッツの栄養素を比較してみましょう。うなぎはビタミンB群が豊富であることで知られていますが、ナッツもうなぎに劣らぬ含有量であることが分かります。 また、マグネシウムや鉄、銅などの含有量は、ナッツがうなぎを大きく上回っています。
1日に食べる量については、ナッツよりもうなぎの方が多いことが一般的です。ただし、ナッツは少しずつ継続的に食べることが推奨される食材です。長い夏を全面的にサポートしてくれる心強い食材として、ナッツを日常的に上手に取り入れてください。
うなぎ(蒲焼)と各種ナッツの栄養素比較
うなぎ(蒲焼き) | アーモンド(いり、無塩) | カシューナッツ(フライ、味つけ) | くるみ(いり) | |
---|---|---|---|---|
たんぱく質 | 23.0g | 20.3g | 19.8g | 14.6g |
脂質 | 21.0g | 54.1g | 47.6g | 68.8g |
カリウム | 300mg | 740mg | 590mg | 540mg |
カルシウム | 150mg | 260mg | 38mg | 85mg |
マグネシウム | 15mg | 310mg | 240mg | 150mg |
リン | 300mg | 480mg | 490mg | 280mg |
鉄 | 0.8mg | 3.7mg | 4.8mg | 2.6mg |
亜鉛 | 2.7mg | 3.7mg | 5.4mg | 2.6mg |
銅 | 0.07mg | 1.19mg | 1.89mg | 1.21mg |
ビタミンE | 5.0mg | 29.8mg | 6.6mg | 27.5mg |
ビタミンB2 | 0.74mg | 1.04mg | 0.18mg | 0.15mg |
ビタミンB6 | 0.09mg | 0.08mg | 0.36mg | 0.49mg |
葉酸 | 13㎍ | 48㎍ | 63㎍ | 91㎍ |
パントテン酸 | 1.29mg | 0.26mg | 1.32mg | 0.67mg |
食物繊維 | 0.0g | 11.0g | 6.7g | 7.5g |
※可食部100gあたり
うなぎ(蒲焼き) | らっかせい(乾、大粒種) | ピスタチオ(いり、味付け) | ピーカンナッツ(フライ、味付け) | |
---|---|---|---|---|
たんぱく質 | 23.0g | 25.4g | 17.4g | 9.6g |
脂質 | 21.0g | 47.5g | 56.1g | 73.4g |
カリウム | 300mg | 740mg | 970mg | 370mg |
カルシウム | 150mg | 50mg | 120mg | 60mg |
マグネシウム | 15mg | 170mg | 120mg | 120mg |
リン | 300mg | 380mg | 440mg | 270mg |
鉄 | 0.8mg | 1.6mg | 3.0mg | 2.7mg |
亜鉛 | 2.7mg | 2.3mg | 2.5mg | 3.6mg |
銅 | 0.07mg | 0.59mg | 1.15mg | 0.84mg |
ビタミンE | 5.0mg | 16.8mg | 27.5mg | 28.1mg |
ビタミンB2 | 0.74mg | 0.10mg | 0.24mg | 0.19mg |
ビタミンB6 | 0.09mg | 0.46mg | 1.22mg | 0.19mg |
葉酸 | 13㎍ | 76㎍ | 59㎍ | 43㎍ |
パントテン酸 | 1.29mg | 2.56mg | 1.06mg | 1.49mg |
食物繊維 | 0.0g | 7.4g | 9.2g | 7.1g |
※可食部100gあたり
ナッツに期待できる嬉しい効果
ナッツを食べることで、さまざまな健康効果を得ることができます。それぞれのナッツに多く含まれる栄養素は異なりますが、どの種類のナッツを選べば良いのでしょうか。夏の体調に関する悩みに合わせて、それぞれに効果の高いナッツを紹介します。
生活習慣病予防
夏は水分不足によって血管がドロドロになりやすく、血管が詰まって脳卒中を起こす方が多いと言われます。特に動脈硬化や高血圧などのリスクが高い方は、血管や血流を正常に保つよう注意が必要です。
- アンチエイジング効果のあるビタミンEを多く含むナッツ
アーモンド、ピーカンナッツ、ピスタチオ、くるみ
- 美肌効果のあるビタミンB2を多く含むナッツ
アーモンド
- 美髪効果のある亜鉛を多く含むナッツ
カシューナッツ、アーモンド、ピーカンナッツ
- むくみ改善のカリウムを多く含むナッツ
ピスタチオ、アーモンド、ピーナッツ
美容効果
日差しが強く、肌が老化しやすい季節には、いつも以上に美容に気をつけることをおすすめします。紫外線によって髪も傷みやすくなっているため、注意してください。また、スポーツドリンクを飲むことが増えると体内の塩分が増え、むくみやすくなります。ナッツを食べて必要な栄養素を補給しましょう。
- アンチエイジング効果のあるビタミンEを多く含むナッツ
アーモンド、ピーカンナッツ、ピスタチオ、くるみ
- 美肌効果のあるビタミンB2を多く含むナッツ
アーモンド
- 美髪効果のある亜鉛を多く含むナッツ
カシューナッツ、アーモンド、ピーカンナッツ
- むくみ改善のカリウムを多く含むナッツ
ピスタチオ、アーモンド、ピーナッツ
貧血予防
ミネラルは汗で排出されるため、夏に汗の量が増えるとミネラルが不足しがちです。ミネラルのうち、特に血液を生成するための栄養素は、普段から女性に不足しがちです。積極的にナッツで補給すると良いでしょう。
- 血液の生成を助ける葉酸を多く含むナッツ
くるみ、ピーナッツ、カシューナッツ
- 血液の材料である鉄を多く含むナッツ
カシューナッツ、アーモンド、ピスタチオ
- 鉄を運ぶ銅を多く含むナッツ
カシューナッツ、アーモンド、ピーカンナッツ
冷え性改善
夏は暑いため、冷え性とは無縁と思われがちです。しかし実は、薄着で冷たいものを食べ、冷房の効いた部屋にいるため冷え性になりやすい季節です。筋肉や代謝に関わる栄養素を摂取することで、身体を活性化させ、冷え性を防ぎましょう。
- 筋肉の働きを調節するカルシウムを多く含むナッツ
アーモンド、ピスタチオ
- 代謝を促進するリンを多く含むナッツ
カシューナッツ、アーモンド、ピスタチオ
便秘解消
身体の水分が不足したり、薄着でお腹を冷やしてしまったりすることで、夏は便秘になりやすいことが知られています。便の量を増やし、腸を刺激して排便を促す働きが期待できる食物繊維を摂取することで、便秘を解消しましょう。
- 腸を活性化させる食物繊維を多く含むナッツ
アーモンド、ピスタチオ
疲労回復
気温が高いと必要なエネルギー量が増えるため、疲れやすくなると感じる方も多いでしょう。ナッツを食べることで、疲労を和らげ、さらにエネルギーを生成する栄養素を取り入れることができます。
- 活性酸素を取り除き、疲労を和らげる銅を多く含むナッツ
カシューナッツ、アーモンド、ピーカンナッツ
- エネルギーの生成を助けるパントテン酸を多く含むナッツ
ピーナッツ、ピーカンナッツ、カシューナッツ
各種ナッツの効果的な食べ方
ナッツの栄養素を効果的に取り入れるための摂取量と食べるタイミングを説明します。ナッツは、食べる量を意識しておかないと食べ過ぎになりやすいため、特に摂取量には注意が必要です。1日摂取目安量
ナッツは一般的に、片手でひとつかみ分が1日の摂取目安と言われています。数種類を組み合わせて食べる場合は、全部合わせて片手ひとつかみ程度を目安にすると良いでしょう。好きな味や希望する効能に合わせて、自分にぴったりの組み合わせを楽しんでください。
また、おやつの適正カロリーは1日200kcalであるため、この範囲内におさまるように食べれば問題ありません。それぞれのナッツの摂取目安量は以下の通りです。
- アーモンド:20~25粒(20~25g)
- くるみ:7粒程度(28g)
- カシューナッツ:10粒前後(15g前後)
- ピーナッツ:30粒程度(30g)
- ピスタチオ:50粒(25g)
- ピーカンナッツ:18粒(23g)
食べるタイミング
ナッツは基本的に、いつ食べても問題はありません。ピーカンナッツやくるみは脂質が多くて腹持ちが良いため、特に空腹を感じた時の間食におすすめです。
ただし、食物繊維は消化吸収がゆっくりであるため、ナッツを寝る直前に食べることは控えましょう。消化器官が働いたままでは身体が活動状態になり、睡眠の質を下げる恐れがあります。食物繊維を多く含むアーモンドやピスタチオは夜遅くに食べないよう意識してください。
まとめ
「ナッツの日」が初夏の7月22日に設定されているように、ナッツは夏にぴったりの食材であることを説明しました。うなぎと比べてナッツは栄養豊富であるだけでなく、持ち運びがしやすく、いつでも気軽に食べられるという点でもおすすめです。ナッツ適量を美味しく食べて、今年の夏も健康に過ごしましょう。でも、土用の丑の日はぜひうなぎもお楽しみくださいね。