大豆の種類と違いをまとめてみた!品種ごとの特徴は?

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大豆は様々な加工食品の原料ともなり、健康への寄与も謳われていますが、今日ではどんな品種があるのでしょうか。 この記事では、大豆の奥深い秘密に迫ってみます。

大豆の原種

大豆の原種はツルマメといい、日本を含む東アジアに分布しています。考古学的な調査はこれから進むのでしょうが、世界の主要穀物で日本に原種が分布するのは大豆だけです。

【参考】松江の花図鑑

日本での栽培は?

日本でいつごろから大豆が栽培或いは利用されていたか、遺跡調査によりますと縄文時代からすでに大豆利用の痕跡があります。

【参考】縄文人が利用したマメ類

私たちのご先祖様は随分昔から大豆を利用していたのですね。食用にされるマメにはいろいろありますが、各種マメの原産地は次のとおりです。

  • 東アジア…大豆、小豆
  • 中東…エンドウ、ソラマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ
  • 中央アメリカ…インゲンマメ
  • 南アメリカ…落花生
  • 東南アジア・アフリカ…ナタマメ
  • アフリカ…ササゲ

醍醐天皇の第四皇女慶子内親王の令旨を奉じて源順が編纂した倭名類聚抄(935年)の稲穀部稲穀類には大豆、烏豆、䴏豆(燕豆)、珂孚豆、大角豆、小豆という記載があり、大角豆までが大豆の種類かもしれませんがよくわかりません。江戸時代末期の学者狩谷棭齋(1777-1835)の箋注倭名類聚抄には明末の李時珍を引用して大豆には黒白黄褐青斑があると書かれています。狩谷棭齋は䴏豆の注に紫赤色とし、斎民要術(532-549頃成立)を引用して大豆の一種としていますが、これだけ時代が離れていると別物の可能性もありますね。

大豆とは

食用にされるマメには上のようにいろいろありますが、栄養面からみると2つに分けることができます。

炭水化物主体の豆

炭水化物脂質タンパク質
小豆59.62.020.8
ササゲ55.02.023.9
インゲンマメ56.41.222.1
エンドウ(青)60.42.321.7
ソラマメ55.92.026.0
ヒヨコマメ61.55.220.0
レンズマメ60.71.523.2

脂質主体の豆

炭水化物脂質タンパク質
大豆(国産黄大豆)29.519.733.8
落花生(小)18 .847.525.4

マメ類はタンパク質を20%程度含むものが多いですが、大豆は約30%と多いだけでなくアミノ酸スコアが100であることから、「畑の肉」と呼ばれます。

【参考】日本食品標準成分表8訂


大豆の種類(品種)

農林水産省のHPには「品種登録ホームページ」があり、「国産大豆の品種特性」には89品種がリストアップされています。また、農林水産省品種登録ホームページで大豆を検索すると2021年7月現在236品種が登録されています。

【参考】国産大豆の品種特性

【参考】農林水産省品種登録ホームページ

これ以外にも大豆には在来の品種が多数あり、国内の大豆の品種は300品種とも500品種ともいわれます。大豆の一番わかりやすい分類は色で見分けることです。色の違いで大豆を次の4つに分けてみました。

  • 黄大豆
  • 黒大豆
  • 青大豆
  • 茶豆、その他

黄大豆

一番生産量が多く、私たちが普通に見かける大豆が黄大豆。ご家庭で煮豆にしたり、豆腐や油揚げ、味噌、湯葉、納豆といった伝統的な加工食品の他、豆乳、たんぱく質や機能性成分が多いことから様々な加工食品、機能性食品に利用されています。

農林水産省に「大豆のホームページ」があることから分かるように、大豆は我が国にとっては大切な農産物の一つです。

残念ながら国内で消費される大豆は殆どが輸入に頼っていて、2019年度は約340万トン、うちアメリカから約250万トンも輸入しています。国内需要のほぼ2/3は油糧用で、輸入大豆によってまかなわれています。食用は約100万トン、うち国産大豆がほぼ20万トン、輸入大豆との比率は1:4です。食用向け輸入大豆の大部分、約99.4%が黄大豆です。

国産大豆は、当然、伝統的食品に適していることから加工適性に優れています。粒の大小、加工特性の差から、この用途にはこの品種と指定されることも多いです。豆腐用には歩留まりがよいことが求められ、たんぱく質含量の高い品種が、納豆用には粒揃いがよく、外観、食感がよいこと、糖分含量が高い品種は煮豆用や味噌用に向いています。

国産大豆の欠点は供給が安定的でなく、生産量が少ないことです。生産農家の高齢化や異常気象等、国産大豆をめぐる情勢には厳しいものがあります。栄養価も高く、機能性にも優れた大豆、日本原産の大豆を大切に守り育てていきたいですね。

【参考】大豆にはどんな種類があるの?その用途は?

【参考】大豆の産地・生産量・輸入量|大豆のおはなし|グリコ

【参考】大豆の育種・品種・栽培と品質

【参考】農林水産物輸出入統計

【参考】大豆をめぐる事情 農林水産省 令和3年11月

なお、黄大豆の白色系の品種や白目(へその部分が白色)の品種を白大豆として区別することがあります。これらとは全く別系統で、黒大豆の派生品種に白大豆(京白丹波)があります。

【参考】大豆の種類と用途はいっぱいあります - 日本最大級の農業生産法人 株式会社 西部開発農産

【参考】名産「丹波黒大豆」の改良品種 産経ニュース

黒大豆

黒大豆も日本では古くから栽培をされていました。 その起源は定かではありませんが、倭名類聚抄(935年)に当時の食品として烏豆という記載があり、 平安時代にすでに黒大豆は栽培されていたと考えられます。大粒の品種は、正月用の煮豆に重宝されています。煮豆用には晩生品種が喜ばれますが、栽培期間が長いことなどから病虫害を受けやすく、早生品種に比べ栽培が難しいとされています。そんなこともあり、黒大豆の産地では晩生品種の枝豆用も増えてきた印象があります。

【参考】黒豆について|丹波篠山 小田垣商店

五大栄養素でみれば黒大豆と黄大豆に大差はありませんが、煮豆に向いている品種では糖度が高いことからオリゴ糖含量が高かったりすることがあるようです。一番の特徴は黒大豆の皮に含まれるポリフェノールで、プロアントシアニジン、エピカキテン、アントシアニンが主要な成分とされています。黒大豆ポリフェノールについては様々な健康効果が調べられており、例えば、抗酸化能が高いことから血中脂質の酸化を抑える、高血圧、高血糖、高脂質症、肥満を予防・改善する効果が知られています。黒大豆の化粧品への応用としては、美白効果が期待できるそうです。

また、黒大豆は漢方薬として腎臓や脾臓の働きを高め、黄疸や浮腫の改善、利尿作用や解毒効果で利用されてきました。

【参考】黒大豆ポリフェノールの機能性に関する研究

青大豆

青大豆は緑色の大豆で、見た目が似ているグリーンピース(エンドウ豆)とは異なります。この緑色は葉緑素によるものです。日本各地で在来の大豆として栽培されています。栽培は気難しいようで、あまり出回りませんが甘みが強い品種が多いようです。青大豆の機能性も調べられており、抗アレルギー性が見出されています。ただ、生産量が少ないこともあって、黒大豆ほどメジャーにはなっていません。青大豆のきな粉は「うぐいす粉」とも呼ばれ和菓子で使用されますが、着色料で補色したものが多いのが残念ですね。

【参考】青大豆抽出物の機能性について

茶豆、その他

茶豆とは薄皮が薄茶色だったり、莢のうぶ毛が薄茶色なことから茶豆と呼ばれるようになったとされていますが、品種が色々あり、あまり厳密に考えない方がよさそうです。茶豆は主に東北地方で栽培されており、新潟県等、特産化が各地で進められています。なかでも地域特産のブランド豆として「だだちゃ豆」が有名です。

「だだちゃ豆」は「だだ茶豆」と誤記されているのを見ることがありますが、名前のルーツは色ではありません。庄内地方の方言で「お父さん」のことを「だだちゃ」ということが名前の由来とされています。「だだちゃ豆」も茶豆の仲間ですから、「だだ茶豆」と間違われるようです。

【参考】JA鶴岡だだちゃ豆データブック

尚、「だだちゃ豆」も茶豆も、枝豆として、独特の香りが人気となっています。種皮が茶色なので茶大豆でもよさそうですが、枝豆としての茶豆の呼称が一般的で、茶大豆という呼び名はあまり見ません。

だだちゃ豆の香気成分は2-アセチル-1-ピロリンという物質で、タイ料理で使用するパンダンリーフの香気成分と同じです。洗濯用柔軟剤等にも同じ成分が香料として使用されていることがあり、場合によってはマイナスイメージだったりもします。

【参考】第19回 ワインの異臭とダダチャ豆の香り-アセチルピロリン - におい工房コラム

機能性としてはポリフェノールの一種であるプロアントシアニジンを含んでおり、色が違えば効能も違うのが在来種大豆の特徴といえるでしょう。

生産量はぐっと少なくなりますが、上記以外にも赤大豆や青大豆の1種で黒い模様が入ったツートンカラーのくらかけ豆といった在来種もあります。

赤大豆のポリフェノールは黒大豆とは違うタイプのアントシアニンだそうです。赤大豆で作った豆腐や豆乳はうっすらとピンク色がかっているそうで、甘みもあって美味しいそうです。

【参考】島田他(2014)赤大豆の色素成分および豆乳の特徴

在来種の大豆は味や香りが良いといった特徴があるため今まで絶えずに栽培されてきました。栽培が難しい品種も多く、各地で細々と維持されているのが現状です。第6次産業の振興を目的として、品種改良も進められているようですが、貴重な大豆の在来種は大切にしたいですね。


大豆の用途別品種特性

大豆は様々に加工されますが、用途別に求められる特性が違っています。主に以下のように区別化されています。

  • 豆腐用:高たんぱくで大粒
  • 納豆用:小粒(表面積が増えて納豆菌が多くつく)、へその色が白(ほとんどがアメリカ、カナダ産)
  • 煮豆用:大粒で高糖度、皮が裂けにくく見た目もよい。
  • 味噌用:たんぱく質、糖質が多い
  • 醤油用:高たんぱく、低脂質
  • 豆乳用:高糖度、青臭くない

なお、日本食品標準成分表では「えだまめ」は豆類ではなく、野菜類に入っています。枝豆に含まれる糖とアミノ酸は夕方に増え、常温では24時間で糖分が半減するとの研究結果もあります。

【参照】竹下大学2019「日本の品種はすごい」中公新書

おすすめの大豆商品2選

ここでは、おすすめの大豆商品とその特徴を紹介します。

やわらか大豆

大豆を一旦吸水させてから焙煎し、カリカリとした食感に仕上げています。国産大豆使用、遺伝子組み換えではありません。

やわらか大豆

北海道産素焼き黒大豆

こちらも大豆を一旦吸水させてから焙煎し、カリカリとした食感に仕上げています。北海道産黒大豆使用、遺伝子組み換えではありません。現在、使用している黒大豆の品種は「いわいくろ」です。

北海道産素焼き黒大豆

まとめ

豊富な栄養素を含み手軽に食べられる大豆は、健康のために定期的に食べることをおすすめします。

特に煎り大豆は手軽さから、お腹が空いた時の間食やダイエット中の間食としてもおすすめです。たんぱく質やイソフラボン以外にもカリウム、鉄、カルシウム、マグネシウムといったミネラルや、食物繊維などを補うことができます。カリカリ、ポリポリした食感の煎り大豆はヨーグルトとも意外と相性がよいですよ。

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