ナッツと大豆が眠気覚ましに効果的な理由!効果を高める食べ方は?
「夜更かししていないのに、勉強しようとすると眠くてたまらない…」といった経験のある方は多いのではないでしょうか。どれだけやる気があっても、睡魔に勝つのは難しいもの。眠気が原因で勉強がはかどらないときは、ナッツや大豆がおすすめです。 今回は、ナッツと大豆が眠気覚ましに効果的な理由と、効果を高める食べ方について紹介します。
眠気の原因
睡眠は時間だけではなく、「質」が重要です。睡眠時間が短いわけでもなく、睡眠に関係する病気を患っているわけでもないのに日中眠くなる場合は、低血糖・ストレス・疲労によって睡眠の質が悪くなっていることが原因だと考えられます。ここではそれぞれの眠気の原因について解説します。
低血糖
食事をした後はなんとなく眠くてけだるくなりがち。軽度であれば誰にでも起こりうることですが、人によってはだるさや眠気に加え、集中力が落ちる、視界がぼやける、発汗や動悸などの症状が出ることも。こうした重度の症状を伴う場合は、低血糖が原因である可能性が高いです。
血糖値が下がりすぎると、エネルギー源として脳に供給されるブドウ糖が不足してしまうため、強い眠気や集中力の欠如などを引き起こします。低血糖はブドウ糖が含まれるものを食べると回復します。症状がある場合はブドウ糖が含まれるものを食べてみて、低血糖かどうかセルフチェックしてみましょう。
「低血糖かも」と思ったら、自己判断で対処せずに病院で診断を受けて、適切なアドバイスをもらいましょう。
ストレス
ストレスが溜まると自律神経に影響を及ぼし、日中に眠気を引き起こします。自律神経とは、心臓や腸など全身のさまざまな機能を司るもの。ストレスを受けると、日中に活発に活動するための「交感神経」の働きが強まり、心身をリラックスさせる「副交感神経」の働きが弱まります。交感神経は心拍数を高めて血圧を上げたり、心身に緊張感をもたらしたりする働きがあり、日中の活動には欠かせません。
しかし夜間にも交感神経が活発だと、睡眠を妨害して睡眠の質を下げてしまいます。寝つきが悪かったり眠りが浅かったりと良い睡眠が取れないために疲労が回復されず、日中に眠気を感じます。
ストレスというと人間関係や嫌な仕事などを思い浮かべるかもしれませんが、パソコンやスマホの光、電話の音、話し声などの小さな刺激が、無意識のうちにストレスになっていることもあります。ストレスに晒され続けると、睡眠のバランスが崩れてしまうだけでなく。うつや自律神経失調症などの病気につながることも。異常な眠気を感じたときは、知らず知らずのうちにストレスを溜めていないか普段の生活を振り返ってみてください。
疲労
良質な睡眠のために適度な疲労は欠かせませんが、疲れすぎには要注意です。極度に疲労が溜まっていると、心身を回復させるためにより多くの睡眠が必要になります。
夜間の睡眠で疲労を回復しきれないと、日中に眠気を感じてしまいます。疲労が溜まっているときにはなるべく長く、良い睡眠をとれるように心がけましょう。
ナッツと大豆に眠気覚まし効果がある理由
ここでは、ナッツと大豆に眠気覚まし効果がある理由を6つ紹介します。これらをしっかり理解した上で、眠気対策にナッツと大豆を食べましょう。
血糖値の上昇が穏やかになる
ナッツや大豆が眠気覚ましに効果的なのは、血糖値の変動が緩やかな「低GI食品」であるためです。主なナッツと大豆のGI値は、以下のとおりです。
種類 | GI値 |
---|---|
大豆 | 16 |
くるみ(素焼き) | 18 |
ピスタチオ(素焼き) | 18 |
アーモンド | 30 |
ピーカンナッツ(フライ) | 10 |
【参考】FOODSRUCT
人が集中力を発揮しやすいのは、血糖値が高い状態です。だからと言って、血糖値が急上昇する高GI食品を食べると、インスリンが大量に分泌され、今度は血糖値が急低下してしまいます。すると体が一時的にブドウ糖不足となり、脳にも十分に行きわたらず、眠くなったり、ぼーっとしやすい状態になります。
そこでおすすめなのが、低GI食品です。血糖値を緩やかに上昇させるため、集中力を持続し、眠気も引き起こしづらいです。
疲労回復効果がある
ナッツや大豆に豊富に含まれる銅とパントテン酸は、疲労回復効果が高いことで知られています。ビタミンB群の仲間であるパントテン酸は、エネルギーの生成を助けます。
また銅は、活性酸素を取り除き、疲労を和らげる効果が期待できます。ナッツを食べることで疲労回復を促進し、翌日まで疲れを持ち越さず、勉強中の眠気を防ぐことができるでしょう。
主なナッツに含まれる銅とパントテン酸の量は、以下のとおりです。
種類 | 銅 | パントテン酸 |
---|---|---|
いり大豆(黄大豆) | 1.31mg | 0.71mg |
くるみ(いり) | 1.21mg | 0.67mg |
ピスタチオ(いり、味付け) | 1.15mg | 1.06mg |
アーモンド(いり、無塩) | 1.19mg | 0.26mg |
ピーカンナッツ(フライ、味付け) | 0.84mg | 1.49mg |
カシューナッツ(フライ、味付け) | 1.89mg | 1.32mg |
【参考】夏はうなぎよりもナッツが効果的! うなぎとナッツの栄養比較
ストレスを解消してくれる
ナッツや大豆は、ストレスの解消を助ける栄養素の宝庫です。脳がエネルギー切れを起こすと、「集中力が続かない」「落ち着きがなくなる」という状態になります。これを防ぐのが「ビタミンB群」であり、ナッツや大豆にも豊富に含まれています。
ほかにも、いり大豆(黄大豆)には、「セロトニン」の材料である「トリプトファン」が550mg含まれます。セロトニンとは、感情を穏やかに保ちストレスを減らす神経伝達物質。体のリズムを整えて快眠しやすい状態にする「メラトニン」を生成する働きも担います。
さらに大豆製品である納豆や味噌は腸内環境をととのえる効果が期待できるため、セロトニンをはじめとしたさまざまなホルモンの分泌を助けてくれるでしょう。
カフェインの覚せい作用を高める
眠気覚ましの定番と言えば、コーヒーやエナジードリンクなどのカフェインが含まれた飲料が有名ですよね。
大豆に含まれるアミノ酸の一種「アルギニン」は、カフェインの覚醒作用を高める作用が明らかになっています。例えばコーヒーにきな粉を加えるなど、カフェインと一緒に大豆も摂取することで、覚せい作用をさらに高められるでしょう。
ドーパミンやノルアドレナリンの材料になる
ナッツには、神経伝達物質「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」の合成に欠かせない「チロシン」というアミノ酸が豊富に含まれます。ドーパミンやノルアドレナリンは、脳内の危機管理の役割を果たします。意欲や生存本能を生み出すのに必要な脳内ホルモンで、精神を安定させたりやる気を起こさせたりする働きがあります。
ドーパミンやノルアドレナリンが減少すると、悲しく憂うつな気分が続いたり、うつ病を患う原因になると考えられています。心を健康に保つためにも、ドーパミンやノルアドレナリンの合成に必要な成分はしっかり摂取しておきたいものです。
ナッツの中でもピーナッツやカシューナッツ、アーモンドなどは特にチロシンが多く含まれているため、積極的に摂取することをおすすめします。
咀嚼による眠気覚まし
ポリポリと歯応えがあるナッツや大豆。よく咀嚼して食べることで脳内の血流を良くし、脳の活性化に繋がります。脳のあらゆる部分が活性化するため、眠気覚ましにも効果的です。少し眠くなってきたら、間食につまんで食べてみてください。
【参考】集中力UP!ナッツが読書におすすめな理由と食べる量・タイミング
まとめ
今回は、ナッツと大豆が眠気覚ましに効果的な理由と、効果を高める食べ方について紹介しました。ナッツと大豆は、血糖値の変動が緩やかで、食べても眠くなりにくい「低GI食品」です。さらに、眠気覚ましに効果的な栄養素が豊富に含まれています。
またナッツや大豆に含まれる栄養素は、疲労回復やストレス解消を促進したり、精神を安定させたりやる気を起こさせたりするのに必要な「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」の材料になったりと、心と体を健康に保つためにもさまざまな効果が期待できます。勉強や仕事のお供に、ぜひ取り入れてみてください。