賢い人は知っている!落花生とピーナッツの性質・食べ方の違い
落花生とピーナッツはどう違うのか、疑問に思ったことはありませんか。改めて考えてみると、同じ食材なのか違う食材なのか、自信がないという方もいるかもしれません。どちらもよく見かける名称ですが、明確な使い分けはあるのでしょうか。 今回は落花生とピーナッツの違いを明らかにし、それぞれの食べ方や賞味期限、保存方法を解説します。 違いを知ることで、落花生、ピーナッツをより楽しく食べましょう。
落花生とピーナッツの違い
実は落花生/ピーナッツは、他にも多くの名称を持っています。例えば南京豆や唐人豆、異人豆という名称を耳にしたことはあるでしょうか。18世紀に中国の南京から伝わったと言われているため、このような名称で呼ばれることがあります。他にも落花生やピーナッツは、地域によって異なる名称で呼ばれています。長崎県ではローハッセン、山口県では俵豆、沖縄ではジーマーミーという名称が用いられています。
全国で一般に使われる名称は「ピーナッツ」と「落花生」です。それぞれ日本語と英語で同じ食品を指しています。英語圏ではどのような状態でもピーナッツの名称を用います。しかし、日本では食品の状態によって「落花生」「ピーナッツ」と名称を使い分けています。
落花生とピーナッツの違い
「落花生」は主に以下の状態の時に用いられる名称です。
- 植物の状態
- 殻つきの状態
- 千葉県の農産物として紹介されるとき
植物としてみた場合は「落花生」を用います。落花生をナッツの一種だと思っている方が多いですが、実はマメ科の一年草です。
落花生は夏に黄色い花が咲いたあと、花の下から糸のような子房柄が伸び土に潜り込み、土の中で膨らんで実が成ります。
畑の落花生に実が成って収穫すると、黄土色の硬い殻に実が包まれています。殻がついたままの状態は、落花生と呼びます。硬い殻を剥いた薄皮つきの状態も落花生と呼ぶことが多いです。
アレルギー食品の表示は、消費者庁によって2019年9月19日付きで「落花生」を「ピーナッツ」と表示できるように改正されました。落花生アレルギーの方は、ピーナッツと表記されている食品も口にしないよう注意してください。
国内の8割近くの落花生/ピーナッツを生産する千葉県では、県の農産物として落花生やピーナッツを紹介するときに「落花生」の名称を使うことが一般的です。
ピーナッツ
ピーナッツは、落花生の殻の中にある実の部分であると考えるとわかりやすいでしょう。殻と薄皮を剥いた状態で販売しているものや、加工されてお菓子やピーナッツバターになったものは「ピーナッツ」の名称を用います。
世界的には殻を剥いた状態で流通する場合が多いため、ピーナッツの状態で目にする機会の方が多いと考えられます。ピーナッツはマメ科ですが、乾燥したピーナッツはナッツのように香ばしいため、pea(豆)nuts(ナッツ)という名称になったと言われています。
乾燥/いり落花生と生落花生の違い
スーパーなどで販売されている落花生のほとんどは、乾燥させて素焼きにするなど調理がされたものです。一方、収穫したばかりの生の落花生は、旬の時期に落花生の産地を中心に出回ります。素焼き落花生と生落花生では、同じ量あたりに含まれるカロリーやビタミンなどの栄養素の数値が異なります。
落花生100gあたりの栄養素含有量
栄養素 | 素焼き | 生 |
---|---|---|
エネルギー | 585kcal | 295kcal |
タンパク質 | 26.5g | 12.0g |
脂質(不飽和脂肪酸) | 49.4g(39.19g) | 24.2g(18.60g) |
炭水化物 | 19.6g | 12.4g |
ナイアシン | 17.0mg | 10.0mg |
ビタミンE | 18.3mg | 10.5mg |
カリウム | 770mg | 450mg |
マグネシウム | 200mg | 100mg |
リン | 390mg | 200mg |
鉄 | 1.7mg | 0.9mg |
食物繊維 | 7.2g | 4.0mg |
落花生/ピーナッツに含まれる栄養素については以下の記事を参考にしてください。
【参考】ピーナッツの栄養素とは?主な成分や効果、薄皮の重要性も解説!
落花生・ピーナッツの食べ方は?
状態によって異なる名称を持つ落花生、ピーナッツですが、それぞれの食べ方にはどのような違いがあるのでしょうか。さまざまな状態で販売されている落花生/ピーナッツの美味しい食べ方と、1日に食べる適正な量をご説明します。
落花生の食べ方
殻に入った状態で販売されている落花生は、殻を剥けばそのまま食べることができます。薄皮はポリフェノールなどの栄養素が含まれているため、剥かずに食べると健康に良いです。
例えばarimaの「露地栽培落花生」は天日干しした後焙煎した落花生を殻ごとパックしているため、自分で殻を剥いて楽しめます。乾燥した落花生の殻は、ねじるように剥くと、破片や繊維が飛び散ってしまいます。殻のつなぎ目の部分を押して、割れ目を引きはがすと、綺麗に剥くことができます。試してみてください。
また、arimaでは殻をとった状態の落花生も販売しています。「自然味落花生」は余計な調味料が加わっておらず、自然な甘みを味わうことができるのが魅力です。
生の落花生は、自分でフライパンなどで素焼きにして食べるか、あるいは塩水で茹でて食べます。茹でた落花生は豆らしいホクホクした食感を楽しむことができ、素焼きの歯ごたえとの違いに驚くのではないでしょうか。 食べる量については素焼きピーナッツの場合1日30g(174kcal)の30粒程度が目安とされています。生のピーナッツ(殻の中にある実の部分)は水分量が多いため、1日60g(177kcal)の12粒程度が適量と考えられます。
1日のおやつのカロリーは200kcalが良いといわれているため、おやつとして取り入れるのに適切な量といえるでしょう。ピーナッツを食べる際は、食べ過ぎに注意してください。ピーナッツは食物繊維が豊富で消化に時間がかかるため、食べすぎると消化不良を起こして腹痛を起こしたり、下痢になる可能性があります。
ピーナッツの食べ方
ピーナッツは殻のない状態で販売されているため、手間をかけずともそのまま食べられる手軽さが魅力です。また、さまざまな加工方法や味付けで販売されているため、楽しみ方のバリエーションが豊富です。
例えば、ピーナッツを揚げて、塩とバターで味付けた「フレッシュバターピーナッツ」は香ばしい歯ごたえとバターのコクがあり、飽きずに食べられます。
また、しょっぱい味付けだけでなく甘い味付けともピーナッツは相性抜群です。ピーナッツをローストしてハチミツでコーティングした「香ばし蜂蜜バタピー」はまろやかな甘さが特徴です。おやつやおつまみにぴったりであるため、小腹が空いた時につまむのが良いでしょう。おやつの適正カロリーである200kcalを目安にして、食べ過ぎには注意してください。
【参考】ピーナッツ(落花生)レシピ10選!作り方をジャンル別に紹介
落花生・ピーナッツの賞味期限や保存方法は?
スーパーなどで販売されている乾燥した落花生や調理されたピーナッツは賞味期限が半年ほどあるものも多く、ストックしておくのに便利な食材です。ただし、袋を開封してからは早めに食べ切るようにしてください。一度にたくさん食べるものではないため、袋にチャックがついている商品を選ぶと便利です。基本的には直射日光と高温多湿を避けて保存してください。
生の落花生は賞味期限が短いため、購入してから数日以内に調理して食べることをおすすめします。一度で食べきらない場合は冷蔵庫で保存し、早めに食べるようにしましょう。
まとめ
今回は落花生とピーナッツの違いについて説明しました。 落花生は植物や殻に入った状態を指すのに対し、ピーナッツは落花生の殻の中にある実の部分だけを表す名称です。同じ食材でも状態や加工方法によって味わいが異なるため、さまざまな楽しみ方ができます。
ダイエットや健康のために食べる場合は調味料が加わっていない落花生を薄皮つきのまま食べ、おつまみやお菓子として楽しむ場合は好みの味付けのピーナッツを食べるなど、目的によって食べわけましょう。色々食べ比べて、お好みの状態・味付けを見つけてみてください。