ピーナッツで血圧が下がるって本当?理由や効果的な食べ方まとめ

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ピーナッツで血圧が下がるって本当?理由や効果的な食べ方まとめ

日本では3人に1人が高血圧であると言われています。高血圧は、自覚症状がないまま、命に関わる合併症につながる恐れがあるため十分気をつけたい病気です。加齢とともに患者数は増加するため、正常な血圧の人でも早いうちから予防を心がけることが推奨されています。 薬に頼らず高血圧を手軽に予防できる食材のひとつが、ピーナッツです。 今回は、ピーナッツが高血圧予防に効果的である理由と、血圧を下げるためのおすすめの食べ方を紹介します。

血圧が上がる原因とリスクとは?


血圧とは、血液が血管壁に与える圧力のことで、血液の量と流れやすさによって数値が変化します。高血圧とは、血液が血管の内部からかける圧力が通常の数値を超えた高い状態が続くことです。

血圧は「上の血圧/下の血圧mmHg」で表されます。上の数値は心臓が収縮した時の血圧、下の数値は心臓が拡張した時の血圧です。120/80mmHg未満が正常な血圧であるとされているのに対し、高血圧とは、診察室血圧の場合で140/90mmHg以上、家庭血圧の場合で135/85mmHg以上である状態を指します。上下いずれかの値が正常範囲より高い場合も高血圧となります。

【参考】生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連 - 厚生労働省

高血圧の数値には達していないけれども正常の数値よりは高いと言う方は、やや健康リスクが高いため、注意が必要です。

高血圧の原因

高血圧となる原因は主に2つです。

  1. 塩分のとりすぎ
    塩分を摂取することで血液中の塩分濃度が高まります。それを薄めるために血液中の水分量も増えるため、血管への圧力が高まります。
    近年は世界的に減塩が呼びかけられており、世界保健機関は1日あたりの塩分摂取量を5g以下に抑えることを推奨しています。
    日本の成人の平均食塩摂取量は1日あたり11.5gです。日本の食事全般は塩分が多いため、日本人の多くが塩分をとりすぎて高血圧になりやすい状態であると言えるでしょう。
  2. 血管の収縮
    加齢や生活習慣の乱れなどによって血管は弾力を失い、収縮します。血管が収縮することで、流れることのできる血液量が減り、血管にかかる圧力が高まってしまいます。
    適度な運動や健康的な食生活を意識するなどして生活習慣を整えることで、血管の収縮を防ぐことが推奨されています。

【参考】Salt reduction - 世界保健機関
【参考】生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連 - 厚生労働省

高血圧によって起こりうるリスク

高血圧になると血管に負担がかかるため、血管が傷付いたり柔軟性がなくなります。これがにより動脈硬化につながり、脳卒中や心疾患、慢性腎臓病といった命に関わる病気の発症リスクが高まります。
糖尿病の方や喫煙習慣のある方など、脳心血管の危険因子がある方は特に注意が必要です。

また、高血圧の方は血圧が変動しやすく、血液量を調整するときに心臓に負担がかかるため、健康リスクが高いといえます。血圧は運動や環境の変化などによって上下します。運動をしたり環境が変化したとき、健康的な人の血圧は一定の範囲内で変動し、安静時の血圧と同じ数値まで回復します。

しかし、高血圧の方は血圧の変動する幅が大きく、安静時の血圧に戻るまでに時間がかかります。そのため、高血圧の方は寒暖差の大きい場所を行き来する、ストレスや緊張によって自律神経が刺激されるなどの血圧が変動する要因に注意が必要です。

ピーナッツには血圧を下げる栄養素が!

健康リスクを高める高血圧を予防するには、生活習慣を見直す以外にも、血圧を下げる栄養素を摂取することがおすすめです。ピーナッツには、血管を正常に保つための栄養素が豊富に含まれています。

【参考】ピーナッツの栄養素とは?主な成分や効果、薄皮の重要性も解説!

オレイン酸

オレイン酸には血中のコレステロール量を適正に保つ働きがあります。血中の悪玉コレステロールを減少させることで、余分なコレステロールが血管の壁に沈着することを防ぎ、血圧の上昇を抑えます。また、オレイン酸は酸化しにくいという特徴があり、血管を傷つけにくい脂質です。煎りピーナッツにはオレイン酸を含む不飽和脂肪酸が100gあたり24.44g含まれています。

【参考】日本食品表示標準成分表 - 厚生労働省

 

ポリフェノール

ポリフェノールには抗酸化作用があります。血管を傷つける活性酸素に対抗する働きを持つため、血管の健康を保つのに効果的な栄養素です。ポリフェノールの中でもピーナッツに含まれるレスベラトロールには、血管の伸縮性を高める効果があります。血管をしなやかにすることで、血圧を下げることが可能です。レスベラトロールはピーナッツの薄皮の部分に含まれるため、皮ごと食べることをおすすめします。

カリウム

カリウムには血液中の余分な塩分を体外に排出する役割があります。同時に、腎臓から塩分を吸収することも防いでくれるため、浸透圧を調整して血液の量を正常に保ち、血圧を下げるのに有効な栄養素です。
世界保健機関は、カリウムを1日3510mg摂取することを推奨しています。

ピーナッツを食べることで、血圧を下げる働きを持ったカリウムを摂取すると良いでしょう。

【参考】生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連 - 厚生労働省

ビタミンE

ビタミンEには4種の異性体があり、ピーナッツに最も多く含まれるのはα-トコフェロールです。この栄養素は、強い抗酸化作用を持っていることで知られています。
細胞の酸化による老化を防ぎ、血管を健やかに保つことで正常な血圧を維持することが可能です。

ピーナッツはこれらの他にもマグネシウムやリン、鉄など血圧の安定に役立つミネラルを豊富に含んでいます。

【参考】日本食品表示標準成分表 - 厚生労働省

ピーナッツで血圧を下げる食べ方のポイント

血圧を下げる栄養素が詰まったピーナッツ。その効果を高めるには、どのような食べ方をすればよいのでしょうか。ピーナッツを食べる時間帯や量、選ぶ種類など、食べ方のポイントを説明します。

いつ食べる?

人間の血圧が1日で一番上昇する時間帯である朝にピーナッツを食べることがおすすめです。また、小腹が空いた時は塩分の多いおつまみやおやつの代わりに食塩無添加のピーナッツを食べることで、塩分摂取を控えつつ、血圧を下げる効果を期待できます。血圧の上昇を抑える効果を持続させるために、継続的にピーナッツを食べましょう。

どのくらい食べる?

ピーナッツは1日に30粒(30g 174kcal)程度を食べることがおすすめです。これは農林水産省が推奨するおやつのカロリー(200kcal)の範囲内におさまります。高血圧の予防のためには健康的な食生活が望ましいため、ピーナッツだけでなく幅広い食材をバランスよく取り入れましょう。

どんなタイプを食べる?

おつまみ用に販売されているピーナッツの中には、高血圧の原因となる塩分が多く含まれているものもあります。殻付きのピーナッツや素煎りのものを選ぶことをおすすめします。そのまま食べるだけでは飽きてしまうという場合、料理に取り入れてみましょう。

血管を柔らかくする一酸化窒素を増やす食材と合わせることで、高血圧予防の効果が高まります。一酸化窒素の材料であるアルギニンを多く含む食材には、赤身の肉や魚、乳製品などが挙げられます。ピーナッツもアルギニンを豊富に含んでいるため、ダブルで効果を高めることが期待できます。

以下の記事では豚肉や牛乳を取り入れたピーナッツのレシピを紹介しています。ぜひ参考にしてください。

【参考】ピーナッツ(落花生)レシピ10選!作り方をジャンル別に紹介

お酢とピーナッツの掛け合わせで効果UP

近年ピーナッツをお酢と組み合わせた『酢ピーナッツ』が高血圧予防への効果が高いと注目されています。高血圧予防のためには、なるべく塩分を加えずにピーナッツを食べることが望ましいため、ピーナッツの味付けとして酢を使用することで、味に変化が加わり継続して食べやすくなります。そのまま食べる以外にも、サラダのドレッシングとしても活用できます。

酢には血流を改善して血管を広げる働きがあるため、高血圧予防に効果のある調味料と考えられています。さらに、酢は消化液の分泌を促進し、ピーナッツの栄養素の吸収を助ける働きがあるため、ピーナッツの健康効果をさらに高めることが期待できるでしょう。

【参考】酢の機能性について - 日本醸造会誌

酢の種類は穀物酢、米酢、りんご酢など何でも大丈夫です。比較的酸味の穏やかなりんご酢が食べやすいかもしれませんね。

【参考】ピーナッツ(落花生)レシピ10選!作り方をジャンル別に紹介

 

まとめ

高血圧予防に適した栄養素が含まれるピーナッツは、食べる時間や他の食材との組み合わせによって、より効果を高めることのできる食材です。また、おいしいだけでなく、多くのスーパーやコンビニなどで販売しており手に入れやすいため、さまざまなレシピにアレンジすることもできます。

普段の食生活で継続的に摂取するのに適した食材であるため、どんどん取り入れてみましょう。






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