ピーナッツ(落花生)のカロリーと正しい食べ方は?糖質(GI/GL値)や脂質もチェック!
身近な健康食として人気のピーナッツ。 小粒で食べやすいため、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるかもしれません。 そのような時、ピーナッツのカロリーが気になりますよね。 ピーナッツは他の食品と比較してカロリーが高いため、注意が必要です。 その一方で、ピーナッツは糖質の量が少なく、今注目の低GI食品に分類されています。 今回はピーナッツのカロリーや食べ方について説明します。
ピーナッツのカロリー
ピーナッツは加工方法によってカロリーが大きく変化します。一般的にスーパー等で販売されているタイプは、煎りピーナッツやバターピーナッツがほとんどです。収穫したばかりの生ピーナッツや茹でた状態では、同じ重さで比較したカロリーは半分ほどとなります。
種類 | 100gあたりのカロリー | 1粒(1g)あたりのカロリー | 生 | 295kcal | 2.9kcal |
---|---|---|
ゆで | 288kcal | 2.8kcal |
乾 | 562kcal | 5.6kcal |
煎り | 585kcal | 5.8kcal |
バターピーナッツ | 592kcal | 5.9kcal |
(100g=100粒程度)
ピーナッツペーストのカロリー
ピーナッツペーストは、arima製品の場合100gあたり639kcalです。 商品ページ
ピーナッツは粒のままだけでなく、さまざまな加工商品として販売されています。ピーナッツペーストは、ピーナッツの油分によってペースト状になったものです。パンに塗る、ソースや料理の隠し味に使うなど多くの場面で登場します。
また、ピーナッツペーストに砂糖、食塩、脱脂粉乳などを加えたものは、ピーナッツバターやピーナッツクリームといい、より一層カロリーが高いため気をつけましょう。
ほかの豆類との比較
ピーナッツはナッツの一種と思われがちですが、土の中に実ができるピーナッツは、実はマメ科の植物です。ただし、殻に包まれているため、ナッツと同じ種実類に分類されます。(ナッツは種実類のうち、木になる実を指しています。)
ピーナッツは、他の豆類と比較すると高カロリーであることがわかります。
豆類(乾)100gあたりのカロリー
ピーナッツ | 562kcal |
---|---|
あずき | 339kcal |
大豆 | 422kcal |
えんどう豆 | 352kcal |
そら豆 | 348kcal |
いんげん豆 | 333kcal |
ピーナッツの糖質
糖質は身体を動かすエネルギーとなり、生きる上で欠かすことのできない栄養素です。ただし、現代においては摂り過ぎとなりやすいため、意識して控えることでバランスの良い食生活につながります。
ピーナッツ100gあたりの糖質は、煎りの場合で12.4g、バターピーナッツで11.3g、乾いたもので11.8gです。カロリーの高いピーナッツですが、他の豆類と比較すると、大豆と並ぶ低糖質な食材であることがわかります。
豆類(乾)100gあたりの糖質
ピーナッツ | 11.8g |
---|---|
あずき | 40.9g |
大豆 | 11.6g |
えんどう豆 | 43g |
そら豆 | 46.6g |
いんげん豆 | 38.5g |
※参考データより、炭水化物から食物繊維を引いた値を糖質の量として表示しています。
ピーナッツのGI値
糖質については、食品に含まれる量だけでなく、血糖値を上げるスピードにも注目が集まっています。
食べ物を消化すると糖質が血液中を流れ、血糖値が上昇します。 血糖値の上昇スピードが高いと、血糖値を抑制するためにインシュリンが分泌されます。インシュリンには脂肪を生成し、脂肪の分解を抑制する働きがあるため、肥満につながると考えられています。
よって、インシュリンの過度な分泌を防ぐには血糖値の急上昇に注意が必要です。
血糖値の上昇スピードを表す数値がGI値(グリセミックインデックス値)です。この数値は、炭水化物50gを含んだ食品を摂取した際の2時間以内の血糖値の上昇率を表し、ブドウ糖を摂った時の血糖値の上昇率を100(基準値)として算出されます。GI値は調理や食べ合わせ、咀嚼回数などによっても変化するため、厳密な数値は決まっていません。
ただ、シドニー大学が公表しているピーナッツのGI値は20前後(13-23)です。55以下の食品は低GI食品に分類されるため、ピーナッツは糖の吸収がゆっくりで、腹持ちの良い低GI食品であると言えるでしょう。
【参考】GIデータベースーシドニー大学
ピーナッツのGL値
GI値の摂取基準が一律で炭水化物50gとなっているのに対し、GL値(グリセミック負荷)は、それぞれの食品を一食分摂取した際の血糖値の上昇率を表します。GL値を求めるには以下の式を使います。
炭水化物の量×GI値÷100=GL値
ここに当てはめるとピーナッツ10粒(10g程度、炭水化物約1.9g)のGL値は0.4程度。10以下が低GL値と言われていることを考えると、ピーナッツは非常に血糖値が上がりにくい食材であると考えられます。
ピーナッツに含まれる脂質
ダイエット中の人は、特に脂質を極端に嫌う傾向にありますが、厚生労働省が推奨する脂質摂取量の下限は、1日に摂取するエネルギーの20%となっています。例えば、普通程度の運動量の女性の必要エネルギーは1日に2000kcal前後であるため、400kcal程度を脂質で摂取することが望ましいと考えられます。 極端に脂質をカットしてしまうと、肌や髪のツヤが失われることにつながるため、脂質を適度に摂取することを心がけましょう。
ピーナッツには脂質が多く含まれており、カロリーの高い食品です。ただし、コレステロールが含まれておらず、不飽和脂肪酸が多く含まれています。ピーナッツに含まれる不飽和脂肪酸は、リノール酸とオレイン酸が大部分を占めますリノール酸は体内で作り出すことのできない必須脂肪酸と呼ばれており、血中コレステロールの上昇を抑制する働きがあります。
また、オレイン酸は酸化しづらい脂質で、血管を傷つけず健康に保つと言われています。
【参考】日本人の食事摂取基準(2020年版) - 厚生労働省
ピーナッツの食べ方
良質な脂質を含むピーナッツは日常生活に取り入れやすい食品です。ただしカロリーが高いため、食べる量やタイミングには注意が必要です。
食べる量は?
1日あたり30粒(30g)程度までであれば食べ過ぎになりません。農林水産省が推奨するおやつの摂取カロリーは1日の摂取カロリーの10%前後と言われており、200kcalが目安とされています。ピーナッツ30粒のカロリーは174kcaであるため、おやつとして食べるのに適正な量と考えられるでしょう。
また、1日の栄養を偏った食材から摂取せず、「主食、主菜、副菜、乳製品、果物」をバランス良く食べるという観点からも、ピーナッツは30粒程度におさめておくことが望ましいです。
食べるタイミングは?
ピーナッツは小腹が空いた時に、少しずつつまむことをおすすめします。特に、食事の前に食べることで血糖値が緩やかに上昇し、続いて食べる食事で血糖値が急上昇することを防ぐため、おすすめです。
毎日食べる必要はありませんが、ピーナッツに含まれる栄養素の効果を得るためには、週に数回程度継続して食べるのが良いでしょう。
まとめ
栄養価が高いピーナッツは、おつまみ以外にも日常のさまざまな料理やお菓子に含まれており、なおかつコンビニやスーパーなどで手に入れやすく、手軽に摂取できる点が大きな魅力です。そのまま食べるだけでなく、さまざまなアレンジを楽しみ、ピーナッツを継続的に食べる習慣をつけると良いでしょう。