【2022年版】カシューナッツアレルギーとは?症状や注意すべき食べ物を解説!
風味が香ばしく、ローストしたものをお酒のおつまみにしたり、刻んでサラダにまぶしたり、そのままでもアレンジを加えてもおいしく食べられるカシューナッツ。ミネラルやビタミンといった栄養素が豊富で、アンチエイジングや脂肪燃焼、整腸作用などさまざまな効果が見込めます。美容にも健康にも良いカシューナッツですが、実はアレルギー症状を引き起こしやすい食べ物でもあることをご存じでしたか?今回は、カシューナッツアレルギーの症状や特徴、注意すべき食べ物などをまとめて紹介します。
カシューナッツとは?
「カシューナッツ」とは、ウルシ科に属するカシューという木の実です。オレンジや赤色をした「カシューアップル」と呼ばれる果実の底に勾玉のような形をした種をつけるのが特徴で、例年3〜6月に収穫時期を迎えます。日本ではローストと生の両方をスーパーやコンビニ、ネット通販などで購入可能です。
【参考】カシューナッツ - 正栄食品工業
輸入量の推移
「日本ナッツ協会 – Japan Nut Association」が発表している「輸入統計」によると、2021年の1月から12月の1年間における日本のカシューナッツ輸入量は13,384,001kgとなっています。2020年の同期間の輸入量11,591,966kgを約15%上回り、推移は右肩上がりに上昇しています。日本では、食感や風味のアクセントとしてケーキやパンに入れたり、おやつに食べたり、スイーツやおつまみとしても大人気です。
カシューナッツはインド、ブラジル、タンザニア、モザンビークなど年間通して暖かく湿度が高い亜熱帯エリアを中心として生産されています。中でもコートジボワールは、世界のカシューナッツ生産量の約20%を占める世界最大の生産国で、インドとベトナム、ブルンジを加えた4か国で50%以上を占めます。2021年の統計では日本で販売されているカシューナッツの多くはインド産51%、ベトナム産47%です。
【参考】世界最大のカシューナッツ生産国、加工量は世界3位に(コートジボワール) | ビジネス短信 - ジェトロ
【参考】途上国森林ビジネスデータベース
カシューナッツアレルギーとは?
「カシューナッツアレルギー」とは、体を刺激から守るための免疫が、カシューナッツに含まれる栄養成分(タンパク質)に反応することにより、皮膚のかゆみや唇のかぶれなどの症状が起こることを指します。カシューナッツでアレルギー反応を起こすとわかっている場合は、食べないことで未然に防ぐことができます。
しかし、人によっては他のナッツ類や果物でもアレルギー反応が出てしまう可能性があります。中でも、特に気をつけた方がよい食べ物が、ピスタチオとマンゴーです。いずれも、カシューナッツと同じウルシ科に属す食べ物で、交差抗原性が高いことで知られています。カシューナッツを食べてアレルギー反応があった場合は、合わせて病院で検査をした方が良いでしょう。
【参考】令和3年度 食品アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書 – 消費者庁【参考】カシューナッツで発症し,アーモンドのアレルギーを獲得したナッツアレルギーの 1 例
【参考】よくわかる食物アレルギー対応ガイドブック - 独立行政法人環境再生保全機構
カシューナッツアレルギーの症状
カシューナッツでアレルギー反応を起こした場合、皮膚が赤くなったり、くしゃみが止まらなくなったり、さまざまな症状が現れます。このほかにも、下記のような症状が挙げられます。
- 口や唇や喉のかゆみ
- 皮膚の乾燥
- 発疹
- 腹痛
- 下痢
- 吐き気・嘔吐
【参考】ナッツアレルギー | 妹尾小児科
アナフィラキシーとは?
アレルギー症状の中でも特に怖いのが、「アナフィラキシー」で、蕁麻疹やまぶたの腫れ、息切れ、腹痛といった症状のうち、2つ以上の重い症状が同時に起こるアレルギー反応のことを指します。特に、血圧低下や呼吸困難、意識障害といった症状が見られた時は、「アナフィラキシーショック」と呼ばれ、速やかに適切な処置や治療が必要とされます。「アナフィラキシーショック」のことを単に「アナフィラキシー」と省略することもあります。
カシューナッツを食べてから、早い場合は数分、遅いと数時間後に、皮膚や呼吸器、粘膜などに症状が現れます。アナフィラキシーの症状が出た場合は、無理に体を動かさず安静にし、病院にかかりましょう。検査をしてアレルギーの有無がわかれば、対策を練ることができます。重度の場合は、「アナフィラキシーショック」を引き起こすことがあり、命の危険もあるため、カシューナッツを食べた後に異変を感じた場合は速やかに119番しましょう。
【参考】アナフィラキシーの症状
カシューナッツアレルギーの増加
近年は、肉やパンを中心とする欧米型の食事や、工場の煙や自動車の排気ガス等の大気汚染や、生活環境が変化したことで、アレルギーを発症する子どもや大人が増えています。中でも近年話題となっているのが、「カシューナッツ」です。カシューナッツは、パンやケーキのクリーム、カレールウなどの隠し味として使われることも多く、気付きにくいことがあります。そのため、全国の幼稚園や保育園、小中学校では、マニュアルを作成しアレルギー理解を深める取り組みが実施されています。
【参考】アナフィラキシーとは?|食物アレルギーを知ろう|知って!食物アレルギー|株式会社明治
【参考】アナフィラキシー|アレルギーの病気について - 認定NPO法人(特定非営利活動法人)アレルギー支援ネットワーク
カシューナッツが含まれている食べ物に注意!
カシューナッツは、ケーキや焼き菓子といった洋菓子のトッピングで多く利用されています。もっとも注意が必要なのが、揚げ物用の油やパンのクリームといった、液体やペーストに混ざっているものです。コクを出すためにスープにカレーのルウ、ラーメンスープにカシューナッツを入れている飲食店も存在します。原材料の表示がない加工食品を選ぶ際や外食をする際は、ナッツ類が含まれているかどうか、製造元のメーカーや飲食店へ確認した方が安全です。
食品へのアレルゲン表示
アーモンド | ごま | 牛肉 |
あわび | さけ | くるみ |
いか | さば | まつたけ |
いくら | 大豆 | もも |
オレンジ | 鶏肉 | やまいも |
カシューナッツ | バナナ | りんご |
キウイフルーツ | 豚肉 | ゼラチン |
(参考:食品表示基準 - 消費者庁)
カシューナッツは、「特定原材料に準ずるもの」として、食品への表示が推奨されています。消費者庁によると、「特定原材料に準ずるもの」とは、カニやえびなどの特定原材料に比べると、症例数が比較的少ない・症状が比較的軽い原材料を指すようです。現在、「特定原材料に準ずるもの」に含まれる21種類のアレルギー物質は、あくまで推奨であり、表示が義務付けられているわけではありません。商品によっては、カシューナッツの表示がなくても、実際には原材料に含まれている可能性も十分に考えられるため注意しましょう。
まとめ
ナッツ類の中でもカシューナッツは、ピーナッツやくるみといった他のアレルギー食品に比べると、アレルギー症状が強く出る傾向にあると報告されています。咳やくしゃみ、腹痛といった症状のほか、最悪の場合は命に危険が及ぶこともあります。外食時には細心の注意を払う、製品裏面の原材料表記をよく読んでから買うなどして、カシューナッツアレルギーに注意しましょう。