アーモンドは優れた栄養食品!成分ごとに期待できる健康効果とは?

アーモンド

以前は、脂質が多くカロリーも高めだというイメージから、敬遠されることも多かったアーモンド。
実は、栄養価に優れたスーパーフードとして、今注目の的になっている食材です。

気になる脂質もからだには必要不可欠な成分です。食べ過ぎに注意しながら適切に摂取することで、健康や美容にもうれしい効果が期待できます。
今回は、アーモンドに含まれる栄養とそれぞれの効果、吸収率をアップさせる方法について解説します。

アーモンドに含まれる栄養素

アーモンドには様々な健康効果が期待できる栄養素が含まれています。
▼アーモンド(炒り・無塩)100gあたりの主な栄養成分
脂質54.1g
食物繊維11.0g
ビタミンE29.8mg
ビタミンB21.04mg
カルシウム260mg
カリウム740mg
マグネシウム310mg
3.7mg
タンパク質10.3g
水分1.8g
エネルギー608kcal
なかでも、不飽和脂肪酸、ビタミンEやB2、食物繊維、カリウムなどのミネラルは、アンチエイジングや生活習慣病の改善、美肌効果など、美容や健康の維持に欠かせない、うれしい効果がいっぱい! それぞれの栄養素には、どのような働きがあるのでしょうか。

不飽和脂肪酸(オレイン酸・リノール酸)

アーモンド全体の栄養成分のうち、約50%は脂質。1粒のアーモンド約10〜12gでおよそ6〜7kcalと、カロリーは少し高めですが、アーモンドに含まれる脂質の多くはオレイン酸やリノール酸です。これらは植物油や魚にも多く含まれる不飽和脂肪酸で、体内で作り出すことができないため、積極的な摂取が必要な栄養素です。
血管や血液を守る役割を果たします。   バターや牛脂などに代表される飽和脂肪酸は、常温でも固まりやすい性質をもちます。そのため、摂り過ぎると血管を詰まらせ、動脈硬化や高脂血症などのリスクが増大してしまいます。 これに対し、不飽和脂肪酸は固まりにくく、体内では液状になり血液の流れをスムーズにします。 コレステロール値の安定、LDL(悪玉)コレステロールの軽減、血圧を下げて血栓や動脈硬化を防ぐ効果などが期待できるため、健康的なからだづくりには欠かせない栄養素です。  

ビタミンE

すぐれた抗酸化力を発揮することで知られるビタミンEには、アンチエイジング効果があります。 アーモンドには100gあたり29.8mgのビタミンEが含まれ、ビタミンEの含有量が多い食品の中でもトップクラスの数値です。   酸化は老化の原因ともいわれ、紫外線や空気、熱などの刺激に反応して体内に発生する「活性酸素」が大きく関与しています。活性酸素は、植物性油脂に多く含まれる不飽和脂肪酸などのすぐれた健康効果を発揮する脂質なども酸化させ、細胞や血管を老化させてしまいます。  

ビタミンEは、活性酸素の生成を抑えてからだの酸化(老化)を防ぎ、細胞や血管の健康促進に力を発揮します。からだに蓄積されたLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪などの脂質、不飽和脂肪酸が酸化しておこる動脈硬化などの生活習慣病の予防・改善や、アンチエイジング効果も期待されます。   また、血液の循環をスムーズにして、からだを温めてくれる効果もあるため、血行不良が原因で起こる肩こりや冷え性といった体の不調や不妊治療、妊活のサポートなどにも、ぜひ積極的に摂取したい栄養素です。  

食物繊維

食物繊維は胃の中で消化・吸収されずに小腸から大腸まで運ばれます。 腸内の乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を増やし、お通じに欠かせない整腸作用が期待できる栄養素で、アーモンドにも豊富に含まれています。   便秘などを改善する整腸作用以外にも注目すべき健康効果として、生活習慣病の改善・予防などもあげられます。血液中のコレステロール濃度を低下させ、食後の急激な血糖値の上昇を抑えてくれます。  

1日に必要な食物繊維の量は、18歳から69歳までの男性で20g以上、女性は18g以上です(厚生労働省策定「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より)。 ところが、生活スタイルや食生活の変化によって、食物繊維を多く含む穀物などの食品を食べる機会が減り、基準値に届かない人も多いといわれています。 現代人は、1日数粒のアーモンドを食べることで、食物繊維不足の解消に役立ちます。  

ビタミンB2

ビタミンは、からだのあらゆる機能を正常に保つために不可欠な栄養素です。中でも、アーモンドにも含まれるビタミンB2は、水溶性で血液中に溶け込み、さまざまな働きをサポートしています。   タンパク質や糖質、脂質などの代謝を助け、エネルギーに変換する際にも重要な役割を果たします。皮膚や粘膜、髪や爪などを健康に保ち、細胞の再生を助けるほか、脂質の酸化を分解・消去させ、生活習慣病の改善・予防にも力を発揮します。  

ビタミンB2が不足すると、口内炎や皮膚トラブルなどのほか、倦怠感や貧血、眼精疲労などの原因となります。激しいスポーツなど、活発にからだを動かす習慣がある人ほど不足しがちな栄養素です。そのため、日頃の食事にも気を配りながら、手軽に摂取できるおやつとしてアーモンドを活用することで、ビタミンB2不足解消にも役立ちます。 ビタミンB2は肌や粘膜をすこやかに保ち、エネルギー補給にも必須な栄養素であると言えます。  

ミネラル(カルシウム・カリウム・マグネシウム・鉄分)

ミネラルは、からだの機能調整や維持に欠かせない栄養素であると同時に、からだそのものを構成するためにも必要な成分です。私たちのからだは、酸素、炭素、水素、窒素の4元素と、それ以外のカルシウム、カリウムなどのミネラル(無機質)で作られています。   ミネラル成分は、微量ながらもそれぞれが影響し合いながら働くため、バランスのよい摂取を心がけることが大切です。 アーモンドには、からだに必要なカルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄分などのミネラル成分が豊富に含まれています。  

年齢を重ねるにしたがって、腸内からのカルシウムの吸収が悪くなりますが、食生活の変化から若い世代ほどカルシウムが不足しがちです。健やかな骨格づくりや骨粗相症などの予防にも、カルシウムの摂取は効果的です。   また、カリウムには体内の余分な水分を排出し、むくみ解消効果もあります。 さらに、マグネシウムは血糖値を安定させ、女性に不足しがちな鉄分を補うことで貧血などの改善にも役立つなど、アーモンドに含まれるミネラルを活用して、さまざまな健康効果が期待できます。    

アーモンドの栄養素の吸収を効果的にアップするには?

ビタミンやミネラル、食物繊維や不飽和脂肪酸など、からだに良い栄養素がたっぷりつまったアーモンドですが、食べ方次第ではその健康効果をさらにアップさせることができます! それぞれの栄養素の働きを補い合う食品と組み合わせて食べてみるのもおすすめです。   例えば、ビタミンEは脂質の一種で、同じ脂質と一緒に摂取することで、からだへの吸収率も高まります。

また、ビタミンEとCを同時に摂取することで、ビタミンEの酸化を防ぎ、より効率的にカラダに取り入れることができるため、こちらも合わせて摂りたい栄養素です。 さらに、カルシウムは玉子や魚、きのこ類などに多く含まれるビタミンDやマグネシウムと一緒に摂取すると、吸収率がさらに高まります。  

ダイエット中の人必見!GI値とGL

ダイエットに関心の高い方なら、GI値という言葉を耳にしたことがあると思います。 GIとは、グリセミックインデックス(Glycemic Index)の略で、  糖質摂取後2時間の糖質吸収率を数値化したものです。   炭水化物50gを含む食品を摂取した場合の糖質吸収率を、ブドウ糖のGI値100に対して相対化し、55以下のものを低GI食品、56〜69までのものを中GI食品、70以上のものを高GI食品と位置付けています。GI値が低いほど、消化吸収がおだやかに行われ、血糖値の上昇もゆるやかです。そのため、肥満対策には低GI食品が推奨されています。

アーモンドのGI値は30で、低GI食品としてダイエット中の強い味方になってくれそうです。   ところが、GI値は実際の摂取量を考慮していない数値であるともいえます。 アーモンド1粒に含まれている炭水化物は0.14g。アーモンドだけで炭水化物50gを摂取するとなると、357粒程度食べなければならない計算です。一度にアーモンドを350粒以上食べるというのは現実的ではありません。   そのため、最近ではGI値をもとにした血糖値管理の新しい指標、GL値という言葉も注目を集めるようになりました。

GLとは、グリセミックロード(Glycemic Load)の略で、その食品の標準摂取量に含まれる炭水化物にGI値を掛け合わせ、100で割って導き出された数値です。 1人分の摂取量に近い数値に換算することにより、より現実的な血糖値の上昇率を表すことが可能となります。GI値よりもさらに現実的な数値を把握できるため、これからの血糖値管理には有益な指標となりそうです。   GI値そのものが高い食品でも、炭水化物の含有量によって実際に影響するGL値が変化し、大幅に血糖値の上昇リスクが減少することもわかってきてきました。 たとえば、アーモンドであればGI値は30でもともと低GI食品ですが、100gあたりの炭水化物は19.74gでGL値は6。さらに1日の摂取目安量25粒程度(約30g)と考えると、GL値はさらに下がります。    

アーモンドのとりすぎには注意が必要!

アーモンドにはビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。また、脂質を多く含むためカロリーは高めですが、脂肪や糖の吸収を抑制する働きが期待できるオレイン酸が多く、低糖質な食品です。ダイエット中の人にとっても心強い存在ですが、過剰摂取には注意が必要です。   食物繊維が多く便秘解消にも効果的ですが、食べ過ぎると下痢をする場合があります。 また、ビタミンEは脂溶性ビタミンに分類されます。

体外に排出されにくいため、アーモンドを過剰に摂取することでビタミンEが体内に蓄積し、肝機能障害などを引き起こす可能性があります。 からだによいとされるオレイン酸などの脂質も、消化吸収に時間がかかるため、体質によってはからだの負担となってしまうこともあります。   1日あたりの目安摂取量は、女性20粒、男性22粒程度と言われており、概ね25粒以内が望ましいです。食べ過ぎるとせっかくの健康効果も半減してしまう可能性があるため、適量を守って食べましょう。  

まとめ

アーモンドには脂質が多く含まれていますが、そのほとんどはオレイン酸やリノール酸など、からだのために積極的にとりたい不飽和脂肪酸です。また、アーモンドは低糖質で、ビタミンEやB2など、アンチエイジング効果をはじめ、肌や粘膜を健やかに保つための栄養素が含まれています。   さらに、整腸作用や生活習慣病の改善・予防にも効果的な食物繊維、からだのあらゆる機能調節やからだそのものをつくるミネラルなど、有益な栄養素がたっぷり含まれた健康効果の期待できる食品です。

ダイエット中の栄養補給や間食に、ぜひ取り入れていただきたいアイテムのひとつですが、消化・吸収に時間のかかる脂質や脂溶性のビタミンEなどは、摂り過ぎると体内に蓄積し、内臓などに負担がかかることがあります。 毎日適量を少しずつ食べ、効率のよい栄養摂取を心がけてみてください。  





002

この記事の関連商品はこちら

この記事を読んだ方におすすめの記事

一覧に戻る

喜界島産のそら豆 創業100周年記念