バナナの栄養素とその効果は?栄養価をUPさせる食べ方も紹介
スーパーやコンビニで1年中手頃な価格で手に入るバナナ。バナナにはビタミンやミネラルなど健康に欠かせない栄養素がバランスよく含まれており、アスリートやダイエット中の方にぴったりです。 今回は、バナナのエネルギー源や栄養素、栄養価をUPさせる食べ方について紹介します。
バナナのエネルギー源
甘くておいしいバナナは、「カロリーや糖質が高いのでは…」と不安になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、バナナのエネルギー源について解説します。
カロリー
手軽に食べられることから、朝食の主食としてもぴったりなバナナ。同じく朝食として食べられることが多いご飯やパンとカロリーを比較すると、以下のようになります。
食品名 | エネルギー |
---|---|
バナナ(生)(100g) | 93kcal |
ご飯1杯(150g) | 234kcal |
食パン1枚(80g) | 198kcal |
【参考】食品成分データベース
バナナ1本(100g)をご飯や食パンと比較すると、約1/3以下と低カロリーなことが分かります。適切な量を守れば、ダイエット中の朝食として安心して食べられます。乾燥バナナは100gあたり314kcalありますので、約30gで生バナナ1本に相当します。
糖質
バナナには100ℊあたり21.1gの糖質が含まれており、GI値は47と低GI食品です。他の果物と比較すると糖質の含有量はやや多いものの、含まれている糖の種類が異なります。
一般的な果物には糖や果糖が多いですが、バナナにはでん粉やショ糖などさまざまな種類の糖質が含まれます。糖の種類によってそれぞれ吸収スピードが異なるため、エネルギー源として即効性と持続性の両方を期待できます。
バナナに含まれる栄養素
栄養豊富なバナナですが、具体的にどのような栄養素が含まれているのでしょうか。ここでは、バナナに含まれる栄養素とその効能について解説します。
バナナ100gに含まれる栄養素の各含有量は、以下のとおり
栄養素 | バナナ(生)含有量 | バナナ(乾燥)含有量 |
---|---|---|
たんぱく質 | 1.1g | 3.8g |
糖質 | 21.4g | 71.5g |
脂質 | 0.2g | 0.4g |
食物繊維 | 1.1g | 7g |
ビタミンB1 | 0.05mg | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.04mg | 0.12mg |
ナイアシン | 0.7mg | 1.4mg |
ビタミンB6 | 0.38mg | 1.04mg |
葉酸 | 26μg | 34μg |
パントテン酸 | <0 .44mg | 1.13mg |
ビオチン | 1.4μg | ― |
マグネシウム | 32mg | 92mg |
カリウム | 360mg | 1300mg |
ポリフェノール | 0.05g | 不明 |
トリプトファン | 10mg | (35mg) |
【参考】食品成分データベース
【参考】食品研究部門:機能性成分含有量データ(抜粋) | 農研機構
食物繊維
バナナには不溶性食物繊維が1.0g、水溶性食物繊維が0.1g含まれており、双方を摂取できます。
不溶性食物繊維は、水に溶けずに水分を吸収して膨らみ、便のカサを増やして腸を刺激します。そのため、便秘の解消に役立つでしょう。
水溶性食物繊維は、その名の通り水に溶けやすく、小腸や大腸内に張り付いてゆっくり移動するため、満腹感が持続しやすいです。糖質の吸収も緩やかになるため、血糖値の上昇を抑制します。
ビタミンB群
ビタミンB群は、食べたものをエネルギーに変換するために欠かせない栄養素です。どれかひとつではなく、お互いに助け合うことで効果を発揮しやすくなります。バナナはフルーツの中でもビタミンB群が比較的多い部類になります。
ビタミンB1
ビタミンB1とは、水溶性のビタミンのひとつです。糖を体内でエネルギーに変えるために欠かせない栄養素で、疲労回復のビタミンとも呼ばれます。中枢神経および末梢神経の機能を正常に保つ働きもあります。
ビタミンB1は水に溶けやすく熱にも弱いため、調理によって失いやすいです。バナナの場合は生のまま食べられるため、失うことなく摂取できます。
ビタミンB2
ビタミンB2は、代謝を支える重要な栄養素です。糖質、脂質、たんぱく質を体内でエネルギーに変換します。
「発育のビタミン」とも呼ばれ、皮ふや粘膜、髪、爪の形成や健康維持、身体の成長などに深く関与します。口内炎対策にもなるでしょう。
ナイアシン
ナイアシンとは、ニコチン酸とニコチンアミドの総称です。細胞でエネルギーを作り出す酵素をサポートします。
ナイアシンは、体内でトリプトファンという必須アミノ酸からも合成することもできます。トリプトファンは、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの合成にも必要です。
しかし、セロトニンよりもナイアシンの合成が優先されるため、ナイアシンが不足するとセロトニンが合成できなくなってしまいます。つまり、ナイアシンは心の健康を保つためにも欠かせないといえるでしょう。
ビタミンB6
ビタミンB6は、水に溶けやすい水溶性のビタミンで、約100種類もの酵素の働きを助ける「補酵素」として作用します。
中でも、たんぱく質を構成するアミノ酸の代謝には欠かせません。健康維持や美容、神経の働きを正常に保つために摂取しましょう。不足すると、皮膚炎などを引き起こすリスクがあります。
葉酸
葉酸とは、ビタミンB12とともに赤血球の生産を助ける水溶性のビタミンです。妊娠初期の活発な細胞増殖に必要なDNAの合成を助け、胎児の正常な発育をサポートすることから、妊活・妊娠中には特に重要な栄養素です。水に溶けやすく加熱にも弱いため、生のままのバナナを食べて効率よく摂取しましょう。マグネシウム
マグネシウムとは、補酵素や活性中心として300種類以上の酵素の働きを助けるミネラルです。リンやカルシウムと共に働き、歯や骨を作るために欠かせません。また、筋肉の働きを調整する役割もあり、カルシウムが筋肉を収縮させるのに対してマグネシウムは筋肉を弛緩させます。
カリウム
カリウムは、人の身体に欠かせない「必須ミネラル」のひとつです。ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持する働きがあります。高血圧の大きな要因である塩分の排出を促すため、血圧を正常に保ち、生活習慣病の予防につながるでしょう。
バナナは、りんごやみかんなど他の果物と比較してもカリウムの含有量が多い果物です。特に栄養素を凝縮した乾燥バナナだと、生の状態に比べて3倍以上ものカリウムを含むため効率よく摂取できます。
食品名(100g) | カリウム含有量 |
---|---|
バナナ(生) | 360mg |
バナナ(乾燥) | 1300mg |
りんご/皮つき | 120mg |
うんしゅうみかん/じょうのう/早生 | 130mg |
ポリフェノール
ポリフェノールとは、植物の苦味や色素の元となる成分です。自然界に5,000種類以上あり、バナナには抗酸化作用が強いポリフェノールが豊富に含まれています。活性酸素を取り除き、生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果的です。熟してシュガースポットが出てきたバナナほど、ポリフェノールの含有量が高くなります。
バナナの栄養価をUPさせる食べ方
バナナの栄養をより効果的に摂取するには、どのように食べるのが良いのでしょうか。ここでは、バナナの栄養価をUPさせる食べ方のポイントを紹介します。
追熟・冷凍バナナ
バナナに含まれるポリフェノールは、熟すほどに増えると言われています。皮に「シュガースポット」と呼ばれる茶色い斑点が現れたら、完熟のベストタイミングです。
また、冷凍してもポリフェノールは増えると言われています。熟したバナナの皮をむいて冷凍してストックしておけば、そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトに入れたりスムージーにしたりとさまざまなアレンジで楽しめます。
焼きバナナ
バナナは、加熱すると「フラクトオリゴ糖」が増えると言われています。フラクトオリゴ糖とは、難消化性のオリゴ糖のこと。胃や小腸で分解されずに大腸まで届き、善玉菌のエサとなって腸内環境を整えます。オーブントースターで5~10分ほど焼いたり、フライパンでバターソテーにしたりするだけで簡単にできます。加熱することでより甘みを感じやすくなり、おいしく食べられるでしょう。
まとめ
今回は、バナナのエネルギー源や栄養素、栄養価をUPさせる食べ方について紹介しました。子どもから大人まで幅広く愛されるバナナは、日本人が最もよく食べる果物とも言われています。いつでも手頃な価格で手に入り、朝食やちょっとしたおやつにもぴったり。
健康維持のためにも、ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてください。