プルーンに含まれる栄養素と正しい食べ方!食べ過ぎには注意
程よい酸味と甘み、ねっとりと柔らかな果肉が楽しめるプルーン。味がおいしいことはもちろん、健康管理にも役立つ食材です。小さな一粒の中に不足しがちな栄養素がギュッと詰まっており、日々の食生活に気軽に取り入れられます。では、プルーンにはどのような栄養素が含まれており、それぞれどのような効果があるのでしょうか。今回は、プルーンに含まれる栄養素と正しい食べ方について紹介します。
プルーンに含まれる栄養素
プルーンは鉄分が豊富なイメージが強いですが、実はそれほど多くの鉄は含まれていません。ドライプルーン100gに含まれる鉄分は、わずか1.1mg。同じドライフルーツのあんずや干しブドウと比較しても、半分以下ほどしか含まれていません。しかしプルーンには、鉄分以外に健康や美容に嬉しい栄養素が豊富に含まれます。
プルーンには青果もありますが、流通期間は短くほとんどのプルーンは「ドライプルーン」として流通しています。そのため本記事では、プルーンはドライプルーンを意味することとします。ここでは、プルーンに含まれる栄養素を紹介します。
食物繊維
プルーン100gに含まれる食物繊維は、7.1gです。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、プルーンにはこれらが50%ずつの割合でバランス良く含まれています。
水溶性食物繊維は、吸着性のあるネバネバとした形状です。胃腸内をゆっくりと移動しながら小腸でコレステロールや胆汁酸を吸収し、便の動きをスムーズにします。さらに糖質の吸収を穏やかにして、食後血糖値の急な上昇を抑えてくれます。プルーンに含まれる水溶性食物繊維の一種「ペクチン」は、LDL-コレステロール値を低下させる働きがあり、生活習慣病予防にも効果が期待できるといわれています。
不溶性食物繊維はその名の通り水に溶けず、水を吸収して膨らみます。便のカサを増やすことで腸を刺激し、排便を促します。また不溶性食物繊維は、乳酸菌やビフィズス菌など体に良い作用をもたらす善玉菌のエサとなります。善玉菌が増えることで、悪玉菌の増殖を抑制し、腸内環境を整えてくれます。
β-カロテンとビタミンA
プルーン100gにはβ-カロテンが1100μg含まれます。β-カロテンといえばプロビタミンAで、体内で必要とされるときにビタミンAに変換されます。ビタミンAの効果以外に、β-カロテンは単独でも抗酸化作用や免疫力賦活作用があることが知られています。
プルーン100gに含まれるビタミンA(レチノール活性当量)は、100μgです。ビタミンAは油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の一種で、肌や髪、目の機能を正常に保つために重要な栄養素です。
ビタミンAが不足すると、目が乾燥しやすくなるだけでなく、さまざまな視覚障害の原因にもなります。例えば、角膜や目の粘膜が傷つくことによる視力の低下、暗いところでものが見えない「夜盲症」などのリスクが上がります。
またビタミンAは、肌や髪の乾燥も防ぎ、ハリのある健康な状態を保ちます。コラーゲンの分解を遅くする効果もあり、アンチエイジングにも効果的です。
ビタミンK
プルーン100gに多く含まれるビタミンKは、92μgです。この数値はフルーツではトップクラスです。ビタミンKは、血液の凝固促進や骨の形成・強化に効果的な栄養素です。
人の身体はケガをして出血しても、時間が経つと血液が固まってカサブタとなり、自然と血が止まります。このように血が止まるのは、「血液凝固因子」というタンパク質が血液を凝固させているからです。ビタミンKは、体内で「血液凝固因子」を作る材料となります。
また、ビタミンKは骨芽細胞中の「オステオカルシン」というタンパク質を活性化し、カルシウムを骨に沈着させます。他にも、コラーゲン生成を促して骨質を改善する働きもあり、骨の健康維持を助けます。そのため閉経後のホルモンバランスの乱れや老化によって起こる骨粗しょう症の予防に役立つでしょう。
カリウム
プルーン100gに含まれるカリウムは、730mgです。ドライフルーツは青果より水分が少なくなっている分、栄養素が濃縮されていることが多いです。他のドライフルーツのカリウム含有量もおおよそ同じようなレベルですが、プルーンの良さは単独でも、料理の具材でも美味しく食べられるということでしょうか。
カリウムは、細胞内液の浸透圧を調整して一定に保ち、体液のpHバランスも調整する栄養素です。身体の余分な水分や塩分を排出するため、塩分を摂りすぎた際の体のむくみを防止することが期待できます。
マグネシウム
マグネシウムは多くの酵素を活性化し、生命維持に必要なさまざまな代謝に関与する重要な栄養素です。プルーン100gには40mg含まれます。
マグネシウムはカルシウムとともに、筋収縮を制御したり、血管を拡張させて血圧を下げたり、血小板の凝集を抑えて血栓が作られづらくする働きをします。また、骨や歯の形成にも欠かせません。
ポリフェノール
プルーン100gに含まれるポリフェノールは、184mgです。そのうち「ネオクロロゲン酸」という種類が71%(約130.6mg)と高い割合を占めます。
「ネオクロロゲン酸」は、抗酸化作用の高いポリフェノールの一種で、アンチエイジング効果が期待できます。老化の原因となる活性酵素から身体を守り、肌や髪などを若々しく保ってくれるでしょう。
低GI食品
プルーンは甘くて血糖値が気になる方は心配かもしれません。ですがプルーンのGI値は30前後で、低GI食品の基準55以下となっています。この数値はレーズンの約半分です。
低GIなので、疲れた時のエネルギー補給には向きませんが、甘味には精神的ストレスを緩和する作用があります。
プルーンの正しい食べ方
栄養素が豊富なプルーンですが、健康や美容への効果を実感するためには毎日適切な量を摂取し続けることが大切です。そこでここでは、プルーンの正しい食べ方を紹介します。
1日に何個?
カロリーで考えるとプルーンの1日の摂取目安量は、4~5粒(約40g)、カロリーは約100kcalです。フルーツの1日摂取量の目安が200gとされ、40gはプルーンの青果100gにほぼ相当します。また、1日のおやつの摂取カロリーの目安は200kcalなため、これくらいだとオーバーせずに済みます。食物繊維が豊富なプルーンは腹持ちが良く、少量でも満足感が得られます。ダイエット中の間食にもぴったりです。プルーンの食べすぎには注意
プルーンの場合は他のフルーツと違って1回に食べる量に注意が必要です。プルーンには、「ソルビトール」というお腹をゆるくする成分が含まれます。ソルビトールは糖質で、糖アルコールの1種です。プルーンの糖アルコール含有量は12.1g/100gで、このほとんどがソルビトールです。この数値はフルーツ中でもダントツ、というかソルビトールはフルーツではバラ科以外ではほとんど含まれません。これだけのソルビトールを含むプルーンをうっかり食べ過ぎると、トイレに駆け込むことになってしまう可能性があります。
どのくらいの量で緩下作用があらわれるかは、体質の違いや慣れ、粒のサイズにもよりますが、便秘気味でない方なら一度に2粒でお腹がゆるくなる可能性があります。人によると即効性です。なので、昔から便秘気味の方には重宝されてきました。紹介した量はあくまで目安なので、心配な方は少量から食べ始めると良いでしょう。
まとめ
今回は、プルーンに含まれる栄養素と正しい食べ方について紹介しました。プルーンはそのまま間食としてそのままパッと食べられて、サラダやヨーグルト、お菓子、和洋中の料理に加えるなどアレンジもしやすい食材です。健康や美容のために、日々の食生活に気軽に取り入れてみてください。