ハチミツで健康・美容対策!ナッツと組み合わせて効果UPする方法と注意点
ハチミツは、そのまま食べても美味しいですが、料理やお菓子などにも使用され、「万能調味料」としても重宝されている食材です。 ハチミツには自然なイメージがあるため、健康や美容のために摂取している人も多いのではないでしょうか。そこがナッツと共通するところです。 ナッツとハチミツでは含まれる栄養素が随分異なりますが、この記事では、ハチミツに含まれる栄養素や効果、種類などについて解説します。
ハチミツには健康・美容効果がある
ハチミツには、料理やお菓子に「甘み要素」として使用される以外にも、含まれる機能性成分から「健康・美容効果目的」としても食されています。
ハチミツに含まれる成分から、咳止めや喉の痛み止め、風邪予防、美白、ダイエット、疲労回復、ケガの治癒力UP、記憶力UPなど、さまざまな効果が期待されており、ハチミツは食べるだけでなく、「塗る」ことによる効果も期待されています。
ハチミツの栄養素と効果
ハチミツに含まれる主な栄養素と効果について紹介します。
カロリー・糖質・オリゴ糖
ハチミツは、水分を除くとほとんどが糖質となります。ですが、血糖値が急激には上がりにくい低~中GI食品に分類されています。
含まれる糖類はほぼ単糖類で二糖類も合わせるとおおよその構成比はグルコース(ブドウ糖)42%、フルクトース(果糖)52%、ガラクトース4%、マルトース(麦芽糖)2%、スクロース(ショ糖)1%となっています。
この数値を見ると、果糖ブドウ糖液糖とかわりません。要は大量に摂取するかどうかの問題で、多くのフルーツの糖の構成比も果糖ブドウ糖液糖と大差ありません。栄養士・管理栄養士さんの見解は下記のリンクを参考にしてください。
【参考】果糖ぶどう糖液糖って何?|体に悪いの?|管理栄養士のわかりやすい解説 (hns-japan.com)
また、ハチミツに多様な種類のオリゴ糖が含まれることが分かっています。花の種類によって含まれるオリゴ糖の種類、量は異なりますが、1~5g/100gほどです。
【参考】榎本(2019)ハチミツの成分特性、化学と教育ja (jst.go.jp)
オリゴ糖には乳酸菌を増やし、腸内環境を整える効果があります。善玉菌が増え、腸内環境が整うことにより、便秘改善、肌荒れ改善・予防、睡眠の質改善・疲労回復、免疫力アップなど、さまざまな健康・美容効果が期待できます。
ミネラル
五大栄養素のひとつであるミネラルは、臓器や細胞の活動をサポートし、血液や骨のもととなるなど、カラダの組織づくりに欠かせない栄養素です。
食品には強調表示の表示基準というものがあり、その基準に従うとハチミツからのミネラル摂取は期待できません。ナトリウムに関しては5㎎以下ならゼロと表示できるので、含まない旨の強調表示が可能です。その点はナッツの良さを生かす食材といえます。
ハチミツに含まれる主なミネラルには、以下の通りです。
食品成分 | 含有量mg |
ナトリウム | 2mg |
カリウム | 65mg |
カルシウム | 4mg |
マグネシウム | 2mg |
リン | 5mg |
鉄 | 0.2mg |
【参考】食品成分データベース
上記の分析値は多くのサンプルの平均値であり、ハチミツの種類によっては、例えば、そばハチミツの鉄分3㎎/100gのように「多い」と表示できる例があります。
【参考】箱山&荻原(1993)はちみつのミネラル類の含有量について、長野県短期大学紀要235972989.pdf (core.ac.uk)
ビタミン
五大栄養素のひとつであるビタミンは、他の栄養素が適切に機能するための潤滑油のような働きをもち、皮膚の健康維持、疲労回復、風邪予防などにかかわる栄養素です。
ミネラルと同様、強調表示基準を超えて含まれるビタミン類はありません。
ハチミツに含まれるビタミンには、主に以下の成分が含まれています。
食品成分 | 含有量 |
ビタミンB2 | 0.01mg |
ナイアシン | 0.3mg |
葉酸 | 7μg |
【参考】食品成分データベース
葉酸
強調表示で「含む」と表示できる基準は12μgには少し足りません。葉酸の多いハチミツもあるのでしょうが、花別のビタミン含有量のデータにはアクセスできませんでした。
ビタミン類のひとつである葉酸は、ビタミンB1、B2とともに赤血球の働きを助け、造血作用や血流の促進作用をもっています。
そのため、血流・血液にかかわる脳梗塞や動脈硬化などの病気リスクを減らす効果が期待されています。
また、肌や髪、爪のもととなるタンパク質の合成にもかかわり、新陳代謝を高める働きももつことから、ターンオーバーを促し、美肌効果も期待できます。
必須アミノ酸
必須アミノ酸とは、体づくりに欠かせない、たんぱく質を構成するアミノ酸のうち体内でつくることができず、食事を通して摂取する必要があるアミノ酸です。
必須アミノ酸は、全部で9種類あり、ハチミツにもいくつかの必須アミノ酸が含まれていますが、ナッツと比べれば桁違いに少ないです。強調表示の基準がないので、何とでも言えます。
一般的に必須アミノ酸は、「体脂肪の燃焼を促す働き」や「肌の潤いを保つ働き」をもつため、ダイエットや美容に嬉しい効果が期待できるとされています。
ハチミツに含まれる必須アミノ酸は、主に以下の3つです。
食品成分 | 含有量 |
バリン | 8.4mg |
ロイシン | 9.3mg |
イソロイシン | 7.4mg |
【参考】食品成分データベース
ポリフェノールなど
植物由来の微量成分はフィトケミカルと呼ばれ、様々な効能が期待されています。その代表的なものがポリフェノールで、ハチミツにも含まれていることが知られています。
蜜源によってハチミツに含まれるフィトケミカルの種類は異なります。ハチミツに含まれるポリフェノールの分析データは発表されていますが、商業的に謳ったハチミツはまだないようです。
【参考】例えば、Matkovits, Nagy, Foder & Jokai(2023)Analysis of polyphenolic components of Hungarian acacia (Robinia pseudoacacia) honey; method development, statistical evaluation - ScienceDirect
抗菌活性成分メチルグリオキサール(ポリフェノールではありません)を含むことで有名なマヌカハニーには日本語の資料が見つかりました。
【参考】加藤(2019)マヌカハニーの特徴とその機能性、日本家政学会誌column_20190320.pdf (jshe.jp)
ハチミツを食べる時の注意点
ハチミツがもつ効能をより効果的に発揮させるためには、ハチミツについて理解を深め、適切なタイミングで摂取することが望ましいです。
ハチミツの種類や注意点について解説します。
ハチミツは3種類ある
純粋ハチミツ | 人工的に手を加えていないハチミツ ミツバチが植物の花蜜を採集し、巣房に貯え熟成したもの |
精製ハチミツ | 純粋ハチミツから、色や臭いなどを取り除いたもの |
加糖ハチミツ | 純粋ハチミツに「水あめ」や「果糖」などの糖類を加えたもの |
ハチミツは、加熱することによって、栄養成分が壊れてしまうこともあるため、「精製ハチミツ」や「加糖ハチミツ」の加熱処理されたハチミツは十分に効果が発揮されない場合もあります。
そのため、ハチミツに含まれる健康・美容効果を十分に発揮させるためには、「天然」のハチミツ、つまり、「純粋ハチミツ」の摂取がおすすめです。
高温に弱いか?
ビタミンは、長時間の加熱や高温に弱いため、ハチミツを使用して調理する場合などは、冷めてから入れるなど、温度に注意して使用しましょうという意見もありますが、ハチミツにビタミンを期待できないので関係ありません。むしろ、風味の問題です。
1歳未満の子どもには与えない
小さなお子さまにハチミツを食べさせるときには注意が必要です。
特に、腸内環境が整っていない1歳未満の乳児へのハチミツ摂取は控えましょう。
自然界に広く存在するボツリヌス菌によって乳児ボツリヌス症(食中毒)を発症させてしまう恐れがあるためです。ハチミツの中ではボツリヌス菌は芽胞の状態で存在します。
ボツリヌス菌は芽胞の状態であれば熱や消毒薬等に強く、死滅しにくいですが、増えることはありません。乳児ボツリヌス症は乳児の体内で芽胞が発芽、増殖した菌が出す毒素が原因です。
乳児ボツリヌス症は、便秘や筋力低下といった症状を引き起こします。乳児ボツリヌス症発症と因果関係が認められたものがハチミツだけであることから指導の対象となっています。
ボツリヌス菌は加熱しても死滅しないため、はちみつ入りの飲料やお菓子の摂取も、1歳になるまでは控えたほうが良いでしょう。
詳しくは国立感染症研究所のHPをご覧ください。
ハチミツ×ナッツで健康・美容効果アップ
ナッツは単体だけでも豊富な栄養素を含み、さまざまな健康・美容効果が期待できますが、ハチミツを一緒に摂取することで、より高い健康・美容効果が期待されます。
ナッツのハチミツ漬け
ナッツにはさまざまな加工品がありますが、中でも「ナッツのハチミツ漬け」(ハニーナッツ)は、スーパーフードとしても注目されています。
例えば、クルミには、オメガ3脂肪酸や抗酸化物質、タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維など、カラダづくりに必要な栄養素が豊富に含まれています。低糖質であるため、ダイエットにも適したナッツとしても人気が高いです。
もともとヨーロッパ地方で保存食として重宝されていた「クルミのハチミツ漬け」ですが、ハニーナッツには、以下のような健康・美容効果が期待できます。
健康効果
腸内環境を整える働きや睡眠の質改善の効果が期待できます。
ハチミツには整腸作用がありますが、ナッツに含まれる食物繊維にも同様の効果があるため、「ナッツのハチミツ漬け」(ハニーナッツ)を食べることによって便通の改善など腸の不調解消を期待できるでしょう。
メラトニンには、睡眠の質を改善する誘眠効果があるため、睡眠の質を改善したい人にもおすすめです。
美容効果
クルミのハチミツ漬けには、ビタミンや、アミノ酸、マグネシウム、鉄、ポリフェノールのほか、食物繊維や酵素など、皮膚の生成(ターンオーバー)に必要な栄養素が豊富に含まれているため、美肌効果が期待できます。
また、ポリフェノールによるアンチエイジング効果や、メラニン色素を作る細胞の活性化による美髪効果など、さまざまな美容効果が期待できます。
食べるタイミングと量
ナッツは食物繊維と脂質が多いため、消化吸収に時間がかかります。そのため、就寝前は好ましくありません。ハチミツは血糖値が上がりにくいとはいえブドウ糖を含むことから、エネルギーチャージが期待できます。食後の活動量を考慮して食べるタイミングを決めるのがよいでしょう。
また、間食なら200kcalが目安とされています。
まとめ
ナッツには、健康・美容効果につながる栄養素が豊富に含まれています。
ナッツは、ハチミツと一緒に摂取することでより高い健康・美容効果が期待できるため、健康・美容効果をより効果的に発揮したい人は、ハチミツ×ナッツの摂取がおすすめです。
【香ばし蜂蜜バターナッツ】
有馬芳香堂の商品でハチミツを使用しているナッツ商品といえばコレ。ハチミツの使用量が類似品より多いにもかかわらず固まりにくいという独自の製法に技あり。