大豆のたんぱく質について詳しく紹介!2022年の節分をより楽しむためには?

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大豆はその優れた性質から世界の主要穀物の一つになっています。 近年、健康への関心のたかまりから、大豆の豊富なたんぱく質や機能性成分に注目が集まっています。 今回はそんな大豆の栄養について、おさらいをしてみましょう。

三大栄養素とは

たんぱく質、脂質、炭水化物を三大栄養素と呼び、それにビタミンとミネラルを加え、五大栄養素と呼びます。今回は「大豆の栄養・その1」として、大豆の三大栄養素をみてみましょう。

大豆のたんぱく質

たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、必須アミノ酸の含量が基準に対してどれだけの割合かをアミノ酸スコアで表します。アミノ酸スコア100はすべての必須アミノ酸が基準以上含まれることを示し、80だと基準の80%しか含まれない必須アミノ酸が1つ以上あることを示します。100が最大値となります。

大豆のアミノ酸スコアは100で、肉や魚並みに優秀なたんぱく質源です。大豆が「畑の肉」と呼ばれる所以です。一部のサイトでは大豆のアミノ酸スコアが86とされていますが、科学的により合理的とされている新しい基準では100です。大豆以外にアミノ酸スコアが100である一般的な植物性食品はありません。

食品のたんぱく質含有量は水分によって大きく変わります。

大豆の加工状態100g当たりのたんぱく質含量
煎り黄大豆37.5g
えだまめゆで11.8g

消費者庁の加工食品の強調表示の基準では16.2g/100g以上のたんぱく質を含めば、多い旨が表示できることになっており、煎り大豆が基準を満たしていることがわかります。

大豆と、他のたんぱく源となる食品とを比較してみましょう。肉・魚のたんぱく質含有量は、・脂身を含むとき・皮を含むとき・旬かどうか 等によって変動しますので注意が必要です。

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煎り黄大豆37.5g
食品名100g当たりのたんぱく質含量
卵(ゆで卵全卵)12.5g
豚肩ロース赤身19.7g
まあじ皮なし生19.7g

どのくらいたんぱく質を摂取すればよいかというと、年齢、活動度によっても異なりますが、1日当たり摂取推奨値は、成人男性で60g、女性で50gとなります。

大豆のたんぱく質 まとめ

たんぱく質はアミノ酸から構成されています。大豆のアミノ酸組成は動物性たんぱく源と大きく変わらないことも、大豆が畑の肉と呼ばれる理由の一つです。アミノ酸には体を作る以外にも脂肪燃焼促進、疲労回復、免疫力UP、脳機能の活性化たんぱく質に機能性があるというのはご存じでしょうか。アミノ酸バランスの良い大豆には、そのような効果を期待することができます。

更に、大豆に含まれるたんぱく質には様々な機能性が知られています。大豆に含まれるたんぱく質の1種ナルシンには抗がん作用が、β-コングリシニンには内臓脂肪低減、血中コレステロール低下作用が認められています。

以上のことから、動物性たんぱく源と比較しても、大豆のたんぱく質は非常にすぐれたものであることが分かります。このような研究成果をご覧になりたい方はより専門的なサイト、「大豆たん白質研究」をお調べください。

以上のことから、たんぱく質の供給源として大豆は動物性食品と同様にすぐれたものであることが分かります。

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大豆の脂質

脂質はヒトの重要なエネルギー源ですが、適正な量の摂取が重要です。厚生労働省によれば、エネルギーの20~30%を脂質から摂取するのを目標とするとあります。

大豆は油糧作物なので脂質は多いです。とはいえ、脂質の含有量だけでみると落花生の方が約2倍多く含みます。前項のたんぱく質と同様に、大豆と他の脂質を多く含む食品を比較してみましょう。

食品100g当たりの脂質含量
煎り黄大豆21.6g
えだまめゆで6.1g
卵(ゆで卵全卵)10.4g
豚肩ロース赤身7.8g
まあじ皮なし生4.1g

肉・魚の脂質含有量は、部位、脂身を含むとき、皮を含むとき、旬かどうか等によってたんぱく質よりも変動しますので、多い少ないの議論は注意が必要です。

脂質の分類は、厚生労働省のe-ヘルスネットに従い、以下のように分類しています。

  • 中性脂肪などの単純脂質
  • リン脂質やリポたんぱく質などの複合脂質
  • 脂肪酸やコレステロールなどの誘導脂質

【参考】脂肪 / 脂質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

このうち、脂肪酸はステロイドではない脂質の主要な構成要素となっています。脂質をその働きで分類する場合、通常、脂肪酸で分類されます。

脂質の主要構成要素、脂肪酸を分類すると次のようになります。

脂肪酸も肉、魚と比較してみましょう。

脂肪酸構成(100gあたり)

 煎り黄大豆豚肩ロース赤身まあじ皮なし生
飽和脂肪酸2.81g(14%)2.77g(41%)0.97g(34%)
不飽和脂肪酸
1価不飽和脂肪酸5.16g(27%)3.36g(49%)0.90g(31%)
多価不飽和脂肪酸
ω-6系9.72g(50%)0.63g(9%)0.10g(4%)
ω-3系1.65g(9%)0.03g(1%)0.89g(31%)
脂肪酸計19.33g6.80g2.88g

 

飽和脂肪酸

大豆と肉、魚との比較では脂質に占める飽和脂肪酸の割合が低いことがわかります。厚生労働省の日本人の栄養摂取基準(2020年版)脂質では、飽和脂肪酸と生活習慣病との関連が指摘されており、摂取はほどほどがよく、お腹周りの気になる方は大豆の摂取割合を増やすのがよいでしょう。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸については機能性の理解が深まっています。

大豆で特徴的なことは脂質のうち必須脂肪酸である多価飽和脂肪酸が約6割を占めることです。ω-6(主にリノール酸):ω-3(主にα-リノレン酸)の比率は約6:1になります。この割合は理想とされる比率に近いものです。

リノール酸はコレステロール低下作用が強いですが、過剰摂取のマイナスイメージがあります。これには【ω-3系脂肪酸】の効果を宣伝するためにネガティブ面を強調されてきた影響もあるでしょう。事実、α-リノレン酸とリノール酸は拮抗的に働きますが、どちらも必須脂肪酸なので、きちんと摂取すべき栄養素です。

α-リノレン酸は動脈硬化予防、免疫応答の改善、制がんといいことずくめですが、酸化しやすいことが難点で、その点、大豆では抗酸化作用の強いビタミンEを含みます。

なお、触れられることは少ないですが、α-リノレン酸は体内でEPAやDHAに変換されます。

 

大豆の1価不飽和脂肪酸の多くはオレイン酸です。オレイン酸は酸化しにくいことが特徴で、体内での過酸化物の発生を抑える、悪玉コレステロールの上昇を抑える効果が知られています。オレイン酸の効果はほかにも知られていますが、オレイン酸を多く摂取する人の食事内容やライフスタイルの健康への寄与を考えると過信は禁物です。これは多くの健康情報に対する一般的な注意と同じです。

この他にも脂肪酸をめぐっては様々な効果効能が発表されていますが、他の栄養素にくらべ現時点では未だ解明されていないこともあり、サイトの内容が効果を強調するか不安を煽るかであればエビデンスの有無を確認し鵜呑みしないことをお勧めします。

【参考】日本人の栄養摂取基準(2020年版)脂質 (mhlw.go.jp)

【参考】植物油と栄養|一般社団法人 日本植物油協会 (oil.or.jp)

 

大豆の炭水化物(糖質、食物繊維)

炭水化物は糖質と食物繊維とに分かれます。

糖質

食物繊維は第六の栄養素とも呼ばれることがありますが、栄養成分表では炭水化物の中に含まれます。

糖質は「ダイエットの敵」みたいに悪く言われることもありますが、人のエネルギー源、特に脳のエネルギー源として必要であり、冷静になりたいものです。糖質の少糖類のうち単糖類(ブドウ糖、果糖等)と二糖類(ショ糖、麦芽糖等)を合わせて糖類と呼ぶことがあります。その他の糖質は三糖類以上の少糖類(オリゴ糖)と多糖類のうち難消化性でないでんぷん性のもの(でん粉、グリコーゲン等)となります。

大豆の甘味は主にショ糖(6.7g/100g)によるものです。その他の甘味成分はオリゴ糖で、スタキオースとラフィノースになります。大豆の甘味は品種によって差がありますが、大豆オリゴ糖の研究によるとスタキオースとラフィノースの含有量は、それぞれ、ショ糖の1/2、1/10くらいになるようです。

なお、果物に多く含まれるブドウ糖と果糖の含量は、大豆ではいずれも0g/100gです。

【参考】浅野、大久保、山内(1991)、日本食品工業学会誌

 

食物繊維

食物繊維は殆どエネルギーにはなりませんが、腸内環境を整える作用があります。腸内環境は、近年、免疫その他で重要な働きをしていることが分かりましたが、食物繊維は摂取不足が指摘されています。

食物繊維は構造から多糖類のでんぷん性の中で難消化性のものと非でんぷん性のものに分類されます。少糖類にも多糖類にも含まれないリグニン等は食物繊維に分類されます。一般的には水溶性と不溶性といった分類の方に馴染みがあるでしょう。

不溶性食物繊維の働きは、水を吸収して便の容積を増やすことで排便しやすくする、また有害物質も一緒に排出することが知られています。

水溶性食物繊維の働きは、食後の血糖値の上昇を緩やかにする、コレステロールを低下させる、ナトリウムを排出させ高血圧を防ぐ等、生活習慣病の予防に役立っています。

【参考】公益財団日本豆類協会

【参考】食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

 

大豆の場合

大豆は食物繊維が多い食品であるとのイメージはあまりないかも知れませんが、比較してみると食物繊維を多く含むことが分かります。食物繊維が多いことの指標としてレタス何個分と表示されることがありますが、レタスの食物繊維量は格別に多い訳ではありません。(レタス土耕栽培結球葉生、100gあたり1.1g)

ドライな食品と生鮮食品では当然、食物繊維の含有量は違ってくるので、それぞれで含有量を比較してみましょう。当然ですが、肉や魚には食物繊維は含まれません。

ドライな食品、100gあたりの食物繊維

 

煎り黄大豆19.4g
アーモンド煎り無塩11.0g
プルーン乾7.1g
バナナ乾7.0g

 

生鮮食品、100gあたりの食物繊維

 

えだまめゆで4.6g
ごぼう根ゆで6.1g
さつまいも塊根皮付き蒸し3.8g
生しいたけ(原木栽培)ゆで4.8g

 

消費者庁の加工食品の強調表示の基準では6g/100g以上のたんぱく質を含めば、多い旨が表示できることになっており、煎り大豆が基準を満たしていることがわかります。

大豆には食物繊維が多く含まれていることが分かりました。しかもオリゴ糖も含み、腸内環境を整える食品の一つであることは嬉しいですね。

 

おすすめの大豆商品2選

ここでは、おすすめの大豆商品とその特徴を紹介します。

やわらか大豆

大豆を一旦吸水させてから焙煎し、カリカリとした食感に仕上げています。国産大豆使用、遺伝子組み換えではありません。

やわらか大豆

北海道産素焼き黒大豆

こちらも大豆を一旦吸水させてから焙煎し、カリカリとした食感に仕上げています。北海道産黒大豆使用、遺伝子組み換えではありません。現在、使用している黒大豆の品種は「いわいくろ」です。

北海道産素焼き黒大豆

まとめ

以上、大豆の三大栄養素をみてきました。「まごわやさしい」とも言われるように、大豆は高たんぱく、他のたんぱく源と比較して飽和脂肪酸が少なめ、食物繊維やオリゴ糖で腸活にも効果がありそうです。また、新しい知見により、大豆の三大栄養素の中にも機能性があることが分かってきました。小さな1粒にたくさんの機能が詰め込まれ、文字とおり「大」豆といえます。002

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