プルーンに含まれる栄養素は?健康・美容効果と注意点を解説

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プルーンは、栄養豊富で健康や美容に良いとされており、積極的に摂取したい食品です。では、プルーンに含まれている栄養素にはどのような効果があるのでしょうか。 今回は、プルーンがもたらす健康や美容効果に加えて、摂取量や食べ合わせなどの注意点について解説していきます。日々の健康を維持するためにも、ぜひ参考にしてください。

プルーンとは?

プルーンはバラ科さくら属(梅や桃と同属)で、西洋スモモと呼ばれています。プルーンの果実の大きさは赤ちゃんのこぶし程度です。厚い果肉の中にアーモンドのような種があります。

生のスモモを「プラム」、乾燥させたものを「プルーン」と呼んでいるというカリフォルニアプルーン協会の見解もありますが、現状はおおよそ下記のとおりです。

日本では「プラム」はほぼイコール「スモモ」で、品種は【プラム井上】、【大石早生】、【ソルダム】、新しいところでは【貴陽】などがあります。

一方、日本でプルーンと呼ばれているものは、下記の品種です。

  • カリフォルニアプルーンのメイン品種(フレンチ種またはダジャン種とその近縁品種、チリ等でも栽培されている)(ドライフルーツが基本)
  • カリフォルニア産プルーンの親となったフランスなどのヨーロッパ産プルーン(ドライフルーツが基本)
  • 上記の品種を日本で栽培した青果

プルーンの青果は少し粉をふいた青紫色の果皮が特徴ですが、果皮の色が異なる品種もあります。

園芸上、プルーンとプラム(スモモ)は区別されていますが、両者の違いは微妙です。青果のプルーンは流通期間が短く、ほとんどのプルーンはドライプルーンとして流通しているため、以下、プルーンとはドライプルーンを意味することとします。

プルーンのカロリー・糖質量

乾燥させたプルーンは生のスモモよりも栄養が豊富です。また、少量でも腹持ちが良いため、手軽に摂れるおやつとしても人気です。 栄養価が高く、健康にも良い食品だとされているプルーンですが、実は糖質が多めでカロリーは若干高め。あまり摂りすぎるとカロリー過多になってしまう場合があるので、注意が必要です。カロリーや糖質量の数値を参考にし、摂取量に気を付けて取り入れましょう。

プルーンの可食部100gあたりのカロリーは235kcal、糖質量は59gです。この数値を他のドライフルーツと比較すると以下の通りです。

カロリー(kcal)糖質量(g)
プルーン(乾)21159
いちじく(乾)27264.6
干し柿27457.3
いちご(乾)32982.8
干しぶどう32476.2
なつめ(乾)32464.3
バナナ(乾)31471.5

(100gあたり)

【参考】食品成分データベース-文部科学省

ドライフルーツは、どれもカロリーや糖質量が高めです。プルーンは他のものと比較すると、カロリーや糖質量は低いことがわかります。

低GI食品

プルーンは低GI食品です。GI値とは、食後血糖値の上昇を示す値で、食品に含まれる糖質がどの程度吸収するかを示しています。低GI食品は、血糖値の急上昇を起こしにくいとされています。

プルーンには水溶性・不溶性の両方の食物繊維が豊富に含まれているため、余分な糖質を排出して血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。

そのため、プルーンは血糖値コントロールに適しており、健康な食生活をサポートしてくれるとされています。

他のドライフルーツのGI値と比較しても、プルーンのGI値は29と低めであることがわかるでしょう。

品名GI値(100gあたり)
プルーン(乾)29±4
レーズン64±11
デーツ103±11
アプリコット(乾)31±1
りんご(乾)29±5
バナナ51
オレンジ48

【出典】K.フォスター・パウウェル、S.H.Aホルト、J.C.ブランド・ミラー「2002年 GL値の国際表」


【プルーン】栄養素の健康・美容効果

ドライフルーツであるプルーンには、栄養素がぎゅっと凝縮されています。健康的な毎日を過ごすためにも、日常的にプルーンの栄養素をしっかり摂取したいところです。

プルーンに含まれている主な栄養素について、表で見ていきましょう。

栄養素含有量(プルーン 乾100gあたり)
たんぱく質2.4g
脂質0.2g
炭水化物62.3g
ナトリウム1mg
カリウム730mg
カルシウム57mg
マグネシウム40mg
リン69mg
1.1mg
亜鉛0.4mg
β-カロテン1,100mg
葉酸3mg
食物繊維7.1g

【参考】食品成分データベース-文部科学省

プルーンには、カリウムをはじめとしたミネラルやβ-カロテンが豊富に含まれています。プルーンを摂取することで、これらの栄養素を効率よく摂取できます。

では、プルーンに含まれている栄養素のさまざまな効果について、詳しく見ていきましょう。

生活習慣病予防

プルーンは、高血圧をはじめとする生活習慣病の予防にも有効です。

プルーンに含まれている水溶性食物繊維であるペクチンは、LDL-コレステロール値を低下させます。また、プルーン1粒(約20g)には約50mg含まれるカリウムは、体内のナトリウムを排出し、血圧を下げる効果があることがわかっています。

プルーンは、生活習慣病の元になりうる脂肪が少なく、コレステロールも含まないため、安心して摂取できます。

便秘の改善・整腸作用

プルーンの優れた点といえば、水溶性と不溶性の食物繊維が50%ずつの割合でバランス良く含まれていることです。水溶性食物繊維は、便の動きをスムーズにし、不溶性食物繊維は便の量を増やすことで腸を刺激し、排便を促してくれます。

2種類の食物繊維の効果により、便通が整い、腸の調子が安定するでしょう。また、プルーンに12.1%含まれるソルビトールという糖質は、便の水分量を増やして便通を良くします。

プルーンに含まれる食物繊維とソルビトールで、便秘の改善と整腸作用が期待できます。

食品成分データベース-文部科学省

骨の健康維持

骨の栄養に必要なのは、カルシウムだけではありません。プルーンは、カルシウムはもちろん、骨の形成に関与するビタミンKや亜鉛、骨を丈夫に育てるマグネシウムも含んでいます。

プルーンに含まれるミネラルやビタミンによって、健康的な骨の維持をサポートできます。

また、骨は常に古い骨を壊して、新しい骨を作っていきます。閉経後のホルモンバランスの乱れによって起こる骨粗しょう症の予防にも、骨を作る栄養素が揃っているプルーンの摂取がおすすめです。

アンチエイジング

抗酸化作用の高いプルーンは、アンチエイジングにも効果的です。プルーンには、抗酸化物質であるポリフェノール「ネオクロロゲン酸」が含まれており、アンチエイジング効果が期待できます。ネオクロロゲン酸が、肌が老化する原因となる活性酵素の害から体を守り、老化のスピードを緩やかにしてくれるためです。

さらに、美肌効果が期待できるビタミンも含んでいます。皮膚の血行を促進し、肌のターンオーバーを助けてくれるでしょう。他のフルーツに比べて、プルーンの抗酸化力は群を抜いています。プルーンは体の酸化を防ぎ、若々しさをキープする作用があります。

プルーンの抗酸化力の高さは、含有する総ポリフェノール量とネオグロロゲン酸量で示されています。プルーン100gあたりの総ポリフェノール含有量は184mgで、そのうちネオクロロゲン酸が71%(約130.6mg)と高い割合を占めています。このことからも、プルーンの持つ抗酸化力の高さがうかがえます。

むくみ防止

プルーンに含まれるカリウムは、730mgとかなり豊富です。カリウムは、体の余分な水分や塩分を排出してくれるため、むくみの防止に繋がります。むくみが気になる方は、プルーンを積極的に摂って解消しましょう。

ダイエット効果

先述の通り、プルーンは食物繊維をバランス良く含んでおり、腹持ちが良いです。そのため、ダイエット中のおやつにも最適です。

ダイエットでは、代謝を上げることがポイントとなります。プルーンには代謝の促進に関係するビタミンB群やミネラルが豊富です。これらの栄養素は、痩せやすい体づくりに役立つでしょう。

また、GI値も29と低めで、血糖値の上昇も緩やかです。急な血糖値の上昇は、インスリンを過剰に分泌し、体内に脂肪を貯めやすくなるため、低GI値のプルーンはダイエットにおすすめです。他のドライフードと比べてもカロリーは低めですが、糖質量はあるため、摂取量には気をつけましょう。

貧血対策

プルーンは「鉄分が豊富」で貧血対策に効果的だといわれていますが、実際にはそこまで多くの鉄を含んではいません。とはいえ、鉄分がゼロというわけではないので、他の鉄分豊富な食品とプルーンを組みあわせることで、1日に必要な鉄分を補っていきましょう。

「鉄豊富」とされている食品の鉄分含有量と、プルーンの鉄分含有量の比較は以下の通りです。

食品名鉄分含有量(可食部100gあたり)
プルーン(乾)1.1mg
アーモンド(乾)3.6mg
カシューナッツ(フライ/味付け)4.8mg
くるみ(いり)2.6mg
いり大豆(黄大豆)7.6mg

【参考】食品成分データベース-文部科学省

表で紹介している下記のナッツは、鉄分の含有量が多いです。プルーンと一緒に摂ることをおすすめします。

  • カシューナッツ
  • アーモンド
  • くるみ
  • 大豆

プルーンの1日の摂取量と効果的な食べ方

プルーンを摂取する際には、食べ方に気を付けることが大切です。摂取量と、プルーンの効果を最大限に引き出す食べ方について見ていきましょう。

1日の摂取量

プルーンの1日の摂取目安量は、4~5粒(約40g)で、約100kcal です。1日のおやつの摂取カロリーの目安が200kcalで糖質量は10gということから、この目安量が推奨されています。

プルーンは腹持ちが良いので、一度にたくさんの量を食べなくても満足感が得られるでしょう。

プルーンの健康効果を実感するためには、適正量を毎日続けて摂取することが大切です。食べ過ぎるとお腹が緩くなったり、カロリー過多の心配がありますが、きちんと適正量を守って摂れば、プルーンは安心・安全な健康生活をサポートしてくれます。

お腹がゆるくなる程度は人によって差があるので、初めての人は2粒程度から始められることをおすすめします。

栄養効果をUPさせる食べ方

プルーンの栄養効果をさらに上げるためには、食べ合わせも重要なポイントです。どのような食べ合わせが効果を高めるのか、具体的に見ていきましょう。

乳製品(カルシウム)+プルーン

牛乳などの乳製品とプルーンの食べ合わせは、骨の健康維持に繋がります。 健康な骨を作るために欠かせない栄養素であるカルシウムだけではなく、カルシウムの吸収率を高めるビタミンKとマグネシウムを併せて摂取できます。

また、プルーンには骨の代謝に関与するβ-カロテン、β-クリプトキサンチンも含まれているため、骨の健康アップに役立ちます。

乳酸菌+プルーン

ヨーグルトなどの乳酸菌を含む食品と合わせて摂ると、腸の健康維持に有効です。ヨーグルトには乳酸菌が含まれており、腸内環境を整えてくれます。

プルーンには、前述の通り便秘の改善・整腸作用があるため、ヨーグルトと併せて摂ることで、腸内の健康維持効果UPが期待できます。

特におすすめなのは、ヨーグルト+プルーン+バナナの食べ合わせです。バナナは食物繊維が豊富なため、より腸内環境を整えてくれるでしょう。

ポリフェノール+プルーン

赤ワインには下記のポリフェノールが含まれており、アンチエイジング効果があるといわれています。プルーンと組み合わせて摂ることで、健康・美容効果効果が一層期待できます。

▼赤ワインに含まれるポリフェノール

アントシアニン、レスベラトロール、プロアントシアニジン、カテキン、タンニン、ケルセチン など

特におすすめの食べ方は、プルーンのワイン煮や、ホットワインと一緒にプルーンを摂る方法です。味の相性が良いだけでなく、ワインに含まれる抗酸化物質も一緒に補うことができます。


まとめ

プルーンに含まれている栄養素は、健康や美容に対してさまざまな効果が期待できます。1日の摂取量に気を付ければ、生活習慣病の予防やダイエット、アンチエイジングにも有効な栄養豊富な食品です。

プルーンは毎日適量を継続して摂取することで、若々しく元気に過ごせるようサポートしてくれます。毎日の食習慣として取り入れ、健康的な生活を実践していきましょう。






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