ピスタチオは美肌・健康にうれしい栄養素が豊富!効果的な摂取方法も紹介
ピスタチオは淡い緑色の実と硬い殻が特徴のナッツです。アイスクリームやケーキにも良く使用され、香ばしく奥深い味わいが好まれています。 ピスタチオはカシューナッツと同じウルシ科の植物で、古くには地中海沿岸の砂漠地帯で野生に生えていた強い植物です。現在は主にアメリカとイランで世界の70~80%を生産しています。 今回は、ピスタチオにどのような栄養素が含まれているか説明し、栄養素を効果的に取り入れる食べ方もお伝えします。ピスタチオの魅力を知って、日々の食生活に取り入れてみましょう。
ピスタチオに含まれる主な栄養
誰が呼んだか分かりませんが、日本では「ナッツの女王」といえばピスタチオです(英語圏では異なります)。栄養価の高さや味覚の良さ、そして高級感から「ナッツの女王」にぴったりです。
特にビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。主な栄養素は以下の通りです。
ピスタチオ(いり 味付け)の栄養素
種類 | 100gあたり | 1粒(0.5g)あたり |
---|---|---|
エネルギー | 615kcal | 3.075kcal |
タンパク質 | 17.4g | 0.087g |
脂質 | 56.1g | 0.2805g |
一価不飽和脂肪酸 | 30.92g | 0.1546g |
多価不飽和脂肪酸 | 16.42g | 0.0821g |
炭水化物 | 20.9g | 0.1045g |
食物繊維 | 9.2g | 0.046g |
ビタミンB2 | 0.24mg | 0.0012mg |
ビタミンB6 | 1.22mg | 0.0061mg |
β‐カロテン | 120㎍ | 0.6㎍ |
カリウム | 970mg | 4.85mg |
鉄 | 3.0mg | 0.015mg |
銅 | 1.15mg | 0.00575mg |
※殻を除く
ビタミンB2
ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康を維持するために使われるビタミンです。糖質や脂質、タンパク質の消化を助け、エネルギーに変える役割があります。そのためエネルギーの消費が多い生活をしている方は、ピスタチオを食べてビタミンB2を補給することをおすすめします。
ビタミンB2は光に弱いため、ピスタチオを保存する際は直射日光の当たらない場所で保管すると良いでしょう。
ビタミンB6
ビタミンB6はタンパク質からエネルギーを生成したり、筋肉や血液を生成する際に使われる水溶性ビタミンです。また、神経伝達物質の合成にも関わるため、精神の安定に役立ちます。ビタミンB6は体内でも腸内細菌によって生成されるため、一般的には不足しづらい栄養素です。ただしタンパク質を多く食べる方は、ビタミンB6も多く消費するため、意識して摂取すると良いでしょう。
オレイン酸・リノール酸
ピスタチオの半分は脂質でできており、太りやすいという印象を持つ方もいるでしょう。しかし、ピスタチオに含まれる脂質の多くは体脂肪になりにくい不飽和脂肪酸です。少量であれば肥満を恐れずに食べることができます。脂質は血糖値を安定させて空腹感を感じることを防ぐ働きもあるため、ダイエットに取り入れると良いでしょう。
不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸やリノール酸は血中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあります。コレステロール値が安定することで血管を健康に保ち、生活習慣病を予防します。また、胃腸の動きを活発にして消化を助ける働きもあります。
リノール酸は体内で生成することができないため、食べ物から摂取する必要がある必須脂肪酸です。オレイン酸は酸化しづらい脂質ですが、リノール酸は酸化しやすいため、開封したピスタチオは密閉できる袋や容器に入れて、早めに食べ切ると良いでしょう。
また、日本人はリノール酸を摂りすぎる傾向にあります。ピスタチを食べるときは、後で紹介するピスタチオの1日の摂取量を意識して食べ過ぎないようにしましょう。
ルテイン・ゼアキサンチン
ルテインとゼアキサンチンはカロテノイドの一種です。ルテインとゼアキサンチンには抗酸化作用があり、有害な紫外線やブルーライトから眼を守る働きがあります。体内で生成できず、加齢と共に減少するため、食品から摂取すべき栄養素です。不足すると白内障などにつながるため注意しましょう。
ルテインとゼアキサンチンは一般的に緑黄色野菜に多く含まれますが、ピスタチオと他のナッツ類を比べると、ピスタチオに含まれるルテインとゼアキサンチンの量は断トツで、可食部100gあたり1160µgも含まれます。
【参考】U.S.Agricultural reserch Service Food Data Central
β-カロテン
β-カロテンは涙の量を調節し、眼の細胞を正常に保つなど、眼の健康に役立ちます。また、肌を紫外線から守るなど肌の健康を維持する働きもあるため、美肌効果も期待できます。
ほかにも、体内でビタミンAに変化して抗酸化作用を発揮し、有害な活性酸素から身体を守るほか、免疫の増強効果が知られています。
日本人はビタミンAの多くをβ-カロテンによってまかなっているとされています。そのため、β-カロテンが不足しないよう意識しましょう。
カリウム
カリウムは体内の余分な塩分や水分を排出するため、高血圧予防やむくみの改善に役立ちます。ピスタチオのカリウム含有量はナッツの中でもトップクラスです。
日本人の食事は塩分が多く使われた料理も多いため、カリウムが豊富なピスタチオが塩分調節の助けとなるでしょう。
鉄・銅
鉄は赤血球の材料であるヘモグロビンを作り、銅は鉄を体内の必要な場所に運びます。どちらも貧血予防に効果的な栄養素です。
銅には身体の活性酸素を除去する抗酸化作用や、骨の形成を助ける役割もあります。
食物繊維
食物繊維は腸を刺激し排便を促すため、便秘の解消が期待できます。また、生活習慣病の予防に役立つことも近年の研究でわかってきています。
食物繊維は意識して摂取しないと不足しがちです。健康なお通じのためにピスタチオでしっかり食物繊維を取り入れましょう。
栄養の吸収率を高めるピスタチオの正しい食べ方
ピスタチオの小さな粒にぎゅっと詰まった栄養素を、できるだけ効率的に吸収するためにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。食べる量と加工方法、食べる時間を説明します。
1日の摂取量は25g
ピスタチオは半分以上が脂質でカロリーが高いため、満腹になるまで食べ続けているとカロリー過多となってしまいます。また、食物繊維は一度に大量に摂取するとお腹を下してしまう場合もあります。ピスタチオを1日にたくさん食べるのではなく、少量を継続的に食べ続けることが栄養素の吸収率を高めるコツです。
加熱せずに食べる
生のピスタチオが手に入れば、加熱せずに食べることをおすすめします。ピスタチオに含まれる不飽和脂肪酸は熱に弱いためです。
また、ピスタチオに含まれるβ-カロテンは他の食品に含まれる油脂と合わせて摂取すると、一層吸収率が上がります。こちらの栄養素を意識的に摂取したい場合は、油脂を使った料理と一緒に食べても良いでしょう。
殻つきの状態で売っている場合は手で殻を剥いて食べましょう。手で殻を割りにくい時は、殻の割れ目に別の殻を差し込み、てこの原理でひねれば簡単に殻を破ることができます。ぜひ試してみてください。殻が完全に閉じている場合は、ペンチを使うと殻を破ることができます。
食事のタイミングに合わせて食べる
ルテインや銅などの抗酸化作用を効率的に活用するためには、ピスタチオを食事のタイミングと合わせて食べると良いでしょう。多くの食事に含まれる老化物質のAGE(終末糖化産物)にピスタチオの栄養素が結合し、吸収を阻害すると考えられているためです。体内でのAGE生成もピスタチオの栄養素が阻害するとされています。AGEは体内に蓄積すると排出することが難しく、糖尿病やアルツハイマーにもつながる可能性があると考えられている物質であるため、ピスタチオを食べて対抗しましょう。
ピスタチオに期待できる嬉しい効能
ピスタチオに含まれる栄養素によって期待できる効果は以下の通りです。
- 腸内環境の改善・便秘予防効果
- アンチエイジング効果
- 美肌効果
- ダイエット効果
- 血行促進・貧血予防効果
- 生活習慣病やガンの予防効果
- 疲労回復効果
- 血圧を下げる効果
詳しくは関連記事で説明しています。ぜひ参考にしてください。
【参考】ピスタチオの効果・効能とは?美容や健康効果を最大化する食べ方も紹介!
まとめ
ピスタチオに含まれる主な栄養素を説明しました。スイーツなど多くの食品に含まれていますが、栄養素の吸収率を高める食べ方を心がけるとより健康的です。