新茶におすすめなお茶請けはナッツ!お茶請けの役割と選び方も解説

更新日:
投稿日:
タグ:
新茶

「夏も近づく八十八夜…」と歌われるように、徐々に暖かくなり新茶が出回るこの季節。八十八夜とは、立春から数えて88日目にあたる日のことを指します。この時期に最初に芽吹いたお茶の新芽で作られた新茶は、旨み成分であるアミノ酸が豊富に含まれており、おいしいとされています。 新茶をよりおいしく楽しむために欠かせないお茶請け。新茶にはポリポリと香ばしいナッツが相性抜群です。 今回は、お茶請けの役割と選び方について解説していきます。

お茶請けとは?

お茶と共に楽しむお茶請け。代表的なものは、お菓子やお漬物です。

お茶を飲むときにお茶請けがないと、なんとなく物足りない気もしますよね。お茶請けには、どのような役割や決まりがあるのでしょうか。


お茶請けの役割

お茶請けの主な役割は、お茶の味を引き立てることです。「お茶を請ける」という字には、お茶を支える・お茶を引き立てるという由来があります。

またそれだけでなく、お茶請けは身体のためにも大切な役割を担います。お茶には、胃を刺激するカフェインや茶カテキンなどの成分が豊富に含まれています。そのため空腹時に濃いお茶だけを飲むと、胃液が分泌されて胃が荒れてしまう可能性があります。

お茶を飲む前にお茶請けを食べることで、これらの成分が胃に与える刺激を和らげてくれます。お茶請けは、もてなす相手の身体を労わる先人たちの気遣いから生まれたといえるでしょう。

お茶請けに決まりはない

「お茶請けといえば和菓子」というイメージがあるかもしれません。しかし、実はお茶請けには「この食べ物を選ばないといけない」という決まりがありません。関東では雑菓子、関西では生菓子が主流ですが、お茶請けの種類は地域によって異なります。

そもそもお茶請けに和菓子が出されるようになったのは、砂糖が日本に入ってきた近世以降のことです。現在のような色鮮やかで可愛らしい和菓子が登場したのは、安土桃山時代から江戸時代と言われています。お茶を飲む習慣が日本で広まり始めたのは奈良・平安時代であるため、長い間お茶請けはクリや干し柿などが主流でした。戦国時代から安土桃山時代にかけて茶の道を極めた千利休の初期の茶会でも、お茶請けにはカヤ、クリなどの木の実が使われていました。その頃は点心と呼ばれていました。

現在のお茶請けは甘い和菓子に限らず、せんべいや漬け物のような塩辛いもの、洋菓子、素朴な味わいのナッツなども好まれています。

【参考】東京都茶協同組合


お茶請けの選び方

「新茶」とひと口にいってもさまざまな種類があるため、どのようにお茶請けを選んだらよいか悩みますよね。主な新茶の種類と、その味・香り・色は、以下の表を参考にしてください。

それぞれの新茶に合ったお茶請けを選ぶポイントは、香り、味の濃淡、色です。

新茶の種類香り
煎茶甘味、渋味、苦味が程よいバランスさっぱりとした爽やかな香り「浅蒸し」だと黄金色、「深蒸し」になるほど緑色が濃くなる
玉露深くまろやかな甘味と旨味がある海苔に似た独な「覆い香」鮮やかな濃いめの緑色
抹茶濃厚で、渋味の中に旨味や甘味がある新鮮で若々しいお茶の葉の香り鮮やかな明るい緑色
かぶせ茶煎茶と玉露のちょうど中間のまろやかな味わい海苔に似た独特な「覆い香」鮮やかな濃いめの緑色
番茶旨味・甘み成分が少なく、さっぱりとした味わい香ばしい香り茶色
ほうじ茶香ばしくさっぱりとした味わい香ばしい香り濃い褐色
釜炒り茶苦味・渋味が少なくさっぱりと香ばしい味わい「釜香」と呼ばれる独特な香りやや赤みがかっており萌黄色~金色
玄米茶苦渋味と香ばしさのある少し濃いめの味玄米の香ばしい香り鮮やかな緑色

似た香りを選ぶ

お茶の香りや味を引き立てるお茶請けを選ぶためには、似た香りを選ぶことがおすすめです。

例えば、香ばしい香りのほうじ茶や番茶には、こんがり香ばしい醤油味のせんべい。独特な「覆い香」がある煎茶やかぶせ茶には、オリーブの塩漬けや干菓子などが合います。

似た香りを選ぶと、お茶請けがお茶の香りや味を邪魔しないため、バランスの良い組み合わせになります。

味の濃淡で選ぶ

せっかく選んだお茶請けが「甘さがくどすぎる」「なんとなく物足りない」というようなことにならないためには、お茶とお茶請けの味の濃淡のバランスも大切な要素です。例えば、お茶請けに用意される代表的なお菓子(羊羹、最中、塩大福)の場合、以下のような合わせ方がおすすめです。

  • 羊羹
  • ねっとりとした濃厚な甘さであるため、上質な渋みとコクのある抹茶や煎茶が相性抜群です。

  • 最中
  • 皮の香ばしさと、餡のしっかりとした甘さが楽しめるため、濃厚な玄米茶や抹茶、煎茶がぴったりです。

  • 豆大福
  • 甘みと塩味があるため、渋みのある濃い目のお茶が合います。

煎茶、芽茶、かぶせ茶などを高温で淹れると、香り高く渋みの効いた深い味わいを楽しめます。

色を合わせる

お茶請けは、味だけでなく見た目も楽しみたいもの。お茶の色に合わせてお茶請けを選べば、見た目もバランス良くまとまります。

例えば、下記のような色の合わせ方ができます。 鮮やかな緑色がきれいな抹茶やかぶせ茶には、色とりどりの練り切りを合わせて華やかに。茶色の番茶には、同じように茶色い見た目のせんべいやどらやきを合わせれば、気兼ねないお茶会にぴったりです。

また、お茶会のシーンや湯呑、器のデザインに合わせて色の組み合わせを考えると、より一層お茶の時間を楽しめるでしょう。さらに季節に合わせて、春には桜色の上生菓子、夏には涼しげな見た目の水羊羹などを選べば、季節感を楽しめます。


お茶請けにはナッツがおすすめ

お茶請けに悩んだ時は、ナッツがおすすめです。ポリポリと食感が良く素朴な味わいのナッツは、どのお茶と合わせても味や香りの邪魔することなく引き立ててくれます。特に、程よい苦渋味と香ばしい風味の玄米茶には、ナッツの香ばしさがよく合います。

また、ナッツとドライフルーツを組み合わせると、お茶の苦みを和らげることができます。苦いお茶が苦手な方や、お子様向けのお茶請けにもおすすめです。

ナッツにはさまざまな種類があるため、アーモンドやくるみ、カシューナッツ、ピスタチオなど複数を組み合わせることで飽きずに食べられるでしょう。

【参考】アーモンドは健康に良い?体の不調や生活習慣病に効果的!

【参考】カシューナッツの効果とは?毎日食べるだけで美肌・ダイエット効果があるって本当?

【参考】ピスタチオの効果・効能とは?美容や健康効果を最大化する食べ方も紹介!


まとめ

今回は、お茶請けの役割と選び方について解説しました。今の季節だけのおいしい新茶を味わい尽くすためにも、お茶の種類に合わせて香りや味を引き立てるお茶請けを用意したいもの。

お茶請けは必ずしも和菓子でなければならないというルールはないため、甘いものに限らず自由な組み合わせを楽しめます。香りや味の組み合わせの濃淡などを考慮すれば、お茶の味わいを引き立てるお茶請けが見つかるはずです。

この記事の関連商品はこちら

この記事を読んだ方におすすめの記事

一覧に戻る

喜界島産のそら豆 創業100周年記念