大豆のビタミン・ミネラルについて詳しく紹介!2022年の節分をより楽しむためには?

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“大豆の栄養・その1”では三大栄養素、たんぱく質、脂質、炭水化物についてみてきました。“その2”では五大栄養素の残り、ビタミンとミネラルをみていきましょう。 尚、「豊富」、「多い」や「含む」等の表現については、栄養の摂取量から設定された表示基準に従っています。詳細は本記事の末尾に説明を載せています。

大豆のビタミン

大豆のビタミンといえばB群、ビタミンE、ビタミンKとなります。一方、ビタミンAやビタミンC、ビタミンDでは供給源とはなりません。 以下の表にまとめてみました。

100g当たりのビタミン含有量

煎り黄大豆えだまめゆで
ビタミンB10.14mg0.24mg
ビタミンB20.26mg0.13mg
ナイアシン2.7mg1.0mg
ナイアシン当量12.0mg3.5mg
ビタミンB60.39mg0.08mg
葉酸260㎍260㎍
パントテン酸0.71mg0.45mg
ビオチン27.0㎍-
ビタミンK38㎍33㎍
ビタミンE
α-トコフェロール2.2mg0.6mg
総トコフェロール27.1mg8.6mg

【参考】日本食品標準成分表

折角なので、ビタミン類の役割についておさらいをしてみましょう。

大豆のビタミンB1

ブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要なビタミンです。成人の推奨量は1~1.5㎎/日前後です。大豆では、えだまめには「含まれる」といってもよい量のビタミンB1がありますが、煎り大豆ではちょっと少ないです。とはいえ、ビタミンB1を含む食品は多くはありません。ビタミンB1を多く含む食品で検索すると大豆の順位はむしろ上の方にあります。

こうした順位では米ぬか、ゴマ、青のり、乾燥パセリのような多く摂取できない食品が上位にあり、日常的な供給源として大豆はすぐれた食品といえそうです。

大豆のビタミンB2

たんぱく質、脂質、糖質の代謝に関わるとともに、発育に重要な役割を果たし、皮膚や毛髪等の細胞の再生にも関与しています。成人の推奨量はビタミンB1と同程度です。

煎り大豆のほうがえだまめよりも多くのビタミンB2を含みます。

大豆のビタミンB6

大豆のビタミンB6

脂質、アミノ酸の代謝、免疫機能の維持、赤血球のヘモグロビン合成、神経伝達物質の合成にかかわります。成人の推奨量は、B6もビタミンB1と同じくらいです。ビタミンB2と同じく、煎り大豆のほうが比較的多くのビタミンB6を含みます。

大豆のナイアシン

たんぱく質、脂質、糖質の代謝、エネルギー産生、ステロイドホルモンの合成、DNAの修正や合成など幅広い役割を担っています。成人の推奨量は10~15㎎/日前後です。

体内ではアミノ酸のトリプトファンから合成され、ナイアシン量+トリプトファン×1/60をナイアシン当量と呼びます。

食品の強調表示の基準では、ナイアシンでは「多い」、「含む」の基準があり、煎り大豆は「含む」基準を満たします。ナイアシン当量については強調表示の基準がありません。

大豆の葉酸

赤血球の生産を助けるビタミンです。核酸やたんぱく質の合成を促進することで細胞の生産や再生を助けます。細胞の分裂や成熟に大きくかかわるため、妊婦さんには特に必要なビタミンとされています。成人の推奨量は240μg/日で、妊婦さんはプラス240μg/日必要とされています。大豆では、煎り大豆でもえだまめでも多く含みます。

大豆のビオチン

多くの食品に含まれ、また、腸内細菌でも生産されるので不足することはまずないとされています。脂質やたんぱく質の代謝に関与していますが、特に糖質の代謝では重要な役割を果たしています。皮膚や粘膜の維持、爪や毛髪の健康にもかかわります。

煎り大豆では多く含むと言っても問題ありませんが、ビオチンの性格上、多く含むことにはあまり優位性はありません。

パントテン酸

「至ところに存在する酸」という意味で命名されたとおり、普通の食事で不足することはありません。エネルギー産生や脂質、糖質の代謝、ホルモンや抗体の産生、善玉コレステロールを増やすなど幅広い役割を担っています。但し、アルコールやコーヒーなどのカフェインを多く含む飲料はパントテン酸を多く消費するので注意しましょう。

パントテン酸の「含む」基準値は0.72mg/100gで、高い方の煎り大豆でも残念ながらわずかに下回っています。

大豆のビタミンE

強い抗酸化作用があり、老化防止に効果があります。過酸化脂質の生成を抑え、血管を健康に保つ、赤血球の維持などの役割があります。摂取の目安は成人で6~7.5㎎/日です。体内に蓄積されにくいので、日常的に摂取したいビタミンですが、水溶性のビタミンB群と違って脂溶性なのでサプリメントによる過剰摂取には注意が必要とされています。不足すると血行不良、冷え性や肩こり、頭痛、紫外線の影響を緩和できずにシミ、しわの発生、コレステロールの酸化による血管の詰まりから動脈硬化のリスクが高くなります。

化学的には4つの異性体(α、β、γ、δ)があり、抗酸化活性が最も強いα-体含有量をビタミンE含有量とすることが一般的です。尚、γ-体には抗炎症作用、抗がん作用等があると言われることがありますが、注目されることは少ないです。

煎り大豆ではα-体が多くビタミンEは多いと言えますが、生大豆ではγ-体が最も多く含まれます。

大豆のビタミンK

血液凝固のほかに骨の形成にもかかわっています。摂取の目安は成人で150μg/日です。通常の食事をしていると不足することはなく、腸内細菌からも合成されますが、抗生物質の長期投与がある場合は欠乏の可能性があります。

大豆では、煎り大豆でもえだまめでも含むと言ってよいビタミンKがありますが、同じ大豆でも納豆では格段に多く含まれるようになります。納豆では600㎍/100g含まれ、糸を引かない寺納豆でも190㎍/100g含みます。


大豆のミネラル

大豆に含まれているミネラルはカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅です。逆に少ないミネラルはナトリウムとなります。ナトリウムは摂りすぎていることから摂取を控えた方がよく、その他のミネラルは、特に煎り大豆ではほとんどが多いといえます。

100gあたりのミネラル含有量

煎り黄大豆えだまめゆで
ナトリウム5mg2mg
カリウム2000mg490mg
カルシウム16 mg76mg
マグネシウム240mg72mg
7.6mg2.5mg
亜鉛4.2mg1.3mg
1.31mg0.36mg

【参考】日本食品標準成分表

大豆のナトリウム

煎り大豆のナトリウム含量5mg/100gは食塩相当量では0.01g/100gとなり、極めて低い数値となります。ナトリウムは人体に必須のミネラルですが、摂りすぎは高血圧につながり、厚生労働省は食塩として男性で7.5g/日未満、女性で6.5g/日未満を推奨しています。一方、高血圧学会はより低い6.0g/日を推奨しています。世界的にみて日本人は塩分摂りすぎの傾向にあり、WHOは5.0g/日未満としています。日本人の摂取の現状は男性で約11g/日、女性で約9g/日であり、まだまだ減らす必要があります。

【参考】日本における食塩摂取量の現状と減塩推進への課題~日本高血圧学会の取り組みを中心に~

大豆のカリウム

カリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧を調整する大切なミネラルです。食生活上の重要な役割として、ナトリウムの尿中への排出を促進することで血圧を下げる効果が挙げられます。厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)では目安量として成人男性が2500mg/日、成人女性が2000mg/日とされています。煎り大豆では豊富(2000mg/100g)に含まれ、カリウムが多いといわれることの多いバナナ(生:360mg/100g)の約6倍です。

大豆のカルシウム

カルシウムは骨や歯の成分となるほか、細胞の分裂、筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液凝固などの働きがあります。成人の推奨量は800~650mg/日とされていますが、日本人の摂取量は約500~570mg/日と不足気味です。煎り大豆では160mg/100gで、ヨーグルト(120~140mg/100g)と同程度ですが、乳製品のカルシウムの方が吸収率でまさるようです。カルシウムの吸収を促進するものとして、ビタミンDやクエン酸が知られています。

大豆のマグネシウム

マグネシウムは数多くの酵素の構成要素となっており、生命維持に必要なミネラルです。血管を拡張して血圧を下げたり、血栓をつくりにくくする作用もあります。不足すると不整脈が生じやすくなり、また、心疾患、動脈硬化のリスクが高まります。成人男性の推奨量は350mg/日、女性は300mg/日とされていますが、日本人の摂取量は250mg/日を割っており、カルシウムと同じく不足気味です。煎り大豆では240mg/100gと豊富に含まれています。因みに凝固剤ににがり(塩化マグネシウム)を使っている豆腐では60~70mg/100gのマグネシウムを含みますが、にがり以外の凝固剤を使用した豆腐のマグネシウムはその約半分となります。

大豆の鉄

鉄は赤血球の色素ヘモグロビンの成分として、体中に酸素を供給する役割を果たします。不足すると貧血になります。日本人では鉄も不足気味のミネラルとされています。1日当たりの摂取量は7.6mgで、成人男性は足りていますが、女性の場合は月経で失われる鉄を補充するには10.5mg/日必要とされています。煎り大豆では7.6mg/100g含みますが、植物性食品の鉄は非ヘム鉄で、動物性食品のヘム鉄よりも吸収が劣るとされています。

大豆の亜鉛

亜鉛も数多くの酵素の構成要素となっており、不足すると成長障害、味覚障害、貧血、食欲不振、皮膚炎、生殖機能低下、慢性下痢、脱毛、免疫力低下、認知機能障害等、さまざまな影響が現れます。摂取推奨量は10mg/日程度とされています。煎り大豆では4.2mg/100gと、食品の中では多く含む部類に入りますが、食物繊維やフィチン酸(3600mg/100g)を多く含むため、吸収はやや低くなります。また、アルコールも亜鉛の吸収にはマイナスとなることがわかっています。

大豆の銅

銅もヘモグロビン合成に欠かせないミネラルであるため、貧血予防のため摂取したいミネラルです。他にも免疫力維持、動脈硬化予防、活性酸素除去などの働きがあります。摂取推奨量は1mg/日程度で、特に不足するミネラルではないとされています。煎り大豆には1.3mg/100g含まれます。


まとめ

この記事では大豆に含まれる五大栄養素のビタミンとミネラルをみてきました。

ビタミンでは葉酸が特徴的に多いことが分かりましたが、残念ながら大豆はビタミン豊富とはいえませんでした。一方、ミネラルでは摂り過ぎない方がよいナトリウムが少なく、その他のミネラルは多いといえる成分が多く、ミネラル源として積極的に利用したいものであることが分かりました。

栄養素についてはいろいろなサイトを参照することができますが、次のサイトがよくまとまっており便利です。

【参考】栄養素 | 健康長寿ネット


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ここでは、おすすめの大豆商品とその特徴を紹介します。

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大豆を一旦吸水させてから焙煎し、カリカリとした食感に仕上げています。国産大豆使用、遺伝子組み換えではありません。

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こちらも大豆を一旦吸水させてから焙煎し、カリカリとした食感に仕上げています。北海道産黒大豆使用、遺伝子組み換えではありません。現在、使用している黒大豆の品種は「いわいくろ」です。

北海道産素焼き黒大豆

本ブログ中で参照したデータについての注意書き

このブログ記事で「多い」、「豊富」とは「消費者庁令和2年4月栄養素等表示基準値の改定に関する調査事業報告書」に示された栄養強調表示の「高い旨」の基準値以上であること、「含む」は「含む旨」の基準値(「高い旨」の数値の1/2)以上であることに従っています。

この基準は栄養素の摂取目安量から求められたものです。但し、すべての栄養成分に強調表示の基準値が設定されている訳ではありません。

【参考】栄養素等表示基準値の改定に関する調査事業報告書

また、「高い旨」の基準値の1/2未満~1/4以上の場合は「そこそこ含まれる」、「それなりに含まれる」等のぼかした表現、1/4未満は「少ない」等と表現しています。

ブログ中のデータはなるべく公的なデータベースに拠っています。その値は平均値であり、お手元の個々の食品の含有量が「多い」ことを保証するものではありません。学術的な研究発表を参照する際は必ずしも査読付きの研究発表とは限りませんのでご了承ください。当社の既にUPされているブログ記事につきましても、この方針に沿って改訂していきます。






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